今年も暑い夏がやってきました!梅雨が終わる前に猛暑になるなど、私たちの身体にも植物たちにも厳しい環境ですね。今回は6月に行った夏剪定の実例をひとつご紹介します。
場所は東京都江東区にある石川工場さん、撹拌(かくはん)や磨り潰しなどの機械を製造販売している120年の歴史がある会社さんです。こちらの花壇にはドライな感じが大人気のオージープランツが、たくさん植えられています!
ちょっとご無沙汰になっていたこちらの花壇の剪定を行いましたので、施工前と施工後をご紹介します!かなりスッキリした様子が分かると思いますよ~
もくじ
夏剪定・前
北側花壇
以前の剪定から少し間が空いてしまったコチラの道路沿いの植栽帯、皆さんが良くご存じのローズマリーでさえ1mを超えるサイズに成長!環境や土壌の良さを感じます。
それぞれの葉っぱや枝が重なると、それはもう剪定の時期という事です。もちろん私たちが植栽したので、各植物は成長のスペースをキッチリ確保して植えています。それでも重なってしまうのは、成長しきって大きくなり過ぎた意味を持ちます。
枝が重なるとなぜダメなのか?枝同士や葉っぱが重なると、そこに影が出来て生育の妨げになります。さらに風通しも悪くなり、梅雨の時期など葉っぱが蒸れてしまい、枯れて虫や細菌の住処となるのです。良いことはありません。
もっとも元気な成長ぶりを見せてくれたのは、ロシアンオリーブ、ローズマリー、メラレウカ・ブラックリーフです。当然、これだけ成長するだろうと予測して植栽プランを考えています。
植栽プランを考える際、デザインや見栄えはもちろんのこと、テーマや植物の色、花の時期、成長、葉っぱの色合いなど、考慮する項目は多岐に渡ります。植物は植えて終わりではありません、成長し続けるのでその後のことも考えることが大切だと思います。
南側花壇
それぞれがボリュームを持って存在を主張していますね、日光の取り合いみたいになっているので、背が高い樹木が良く育ちます。この道路は近くの小学校の通学路になってますので、会社の皆さんは登校中の子供たちに迷惑になるのではと心をもんでおられました。
オージープランツの中にはユッカなど葉っぱが尖ったもの、さらにはトゲが生えてるものもあります。チクチクした可愛いものではなく、デッカイ針みたいなものなので本当に注意が必要です。
この植栽は某大手造園会社さんが行ったものですが、老朽化と日頃のメンテナンスなどの様子、対応力の弱さから、私たちに何とかして欲しいとのご要請があり対応したものです。植栽し直した様子はコチラから⇒ウェルカムガーデンを手直し!自然素材の庭づくり.01|江東区
人気樹木のご紹介
この花壇にはたくさんの人気樹木が植えられています。比較的管理が楽で定番の樹木たちをご紹介します!皆さんのお庭でも育てられますので参考にしてみてください。
ロシアンオリーブ
もっとも見事な成長を見せてくれたロシアンオリーブです。グミの仲間で光り輝くシルバーリーフが特徴です。枝は自然にグネグネと伸びランダムさが魅力の樹木です。ある程度の半日陰でも耐えますが、葉っぱが落ちやすいです。日向に植えると元気に育ってくれますが、キッチリと透かし剪定を行って欲しいですね。
メラレウカ・スノーインサマー
この剪定作業を行ったのは梅雨の合間の6月、メラレウカ・スノーインサマーが最盛期を迎えた時期でした。3年ほどたった今年、綿毛のような花が初めて開花したようです。
その名の通り”夏に積もった雪”のような純白の花はとても可憐で儚い、繊細な葉っぱと乾燥した雰囲気の樹皮と、この樹木の魅力は果てしない。皆さんにオススメできる一本です。日当たりが好きなので環境だけご準備してくださいね。
メラレウカ・レヴォリューションゴールド
さらにコチラの花壇には他のメラレウカも植えられています。真ん中の背が高い黄緑色の葉っぱが目にまぶしい”メラレウカ・レヴォリューションゴールド”。その奥にある青みがかったシルバーリーフは”アカシア・ブルブッシュ”です。
このレヴォリューションゴールドも綿毛のような花が付きますが、スノーインサマーの方が花付きは良さそうです。
ブルーブッシュ
定番中の定番ですね!ミモザなどのアカシアの仲間から”ブルーブッシュ”です。青みがかったシルバーリーフは昔から大人気です。地面から何本も枝が出てくるブッシュ系の低木ですので、小さな苗の時期から植栽に使われることが多いです。
早春にはミモザと同様の黄色い花を咲かせますので、剪定した後も切り花として花瓶で楽しむなど、生活を豊かにしてくれる植物です。管理も簡単ですので、こまめに剪定して大きさを調整して楽しんでください!
レプトスペルマム・カッパグロー
さらにもう一種類ご紹介します”レプトスペルマム・カッパグロー”。レプトスペルマムとはメラレウカも含む広い種類の名前です、カッパグローとは銅色という意味。日本に昔からあるギュリュウバイの仲間なのです。ちなみにギョリュウバイは”レプトスペルマム・スコパリウム”という名前です。
メラレウカと同じような葉っぱの形と樹形ですが、花が全く違う!これは面白いですね!まさにギュリュウバイと似た花姿なのです。
これらメラレウカとレプトスペルマムはこまめに透かし剪定を行わないと、内側の葉っぱが蒸れたり日照不足で枯れてしまいます。という事は慌てて剪定を行っても内側に葉っぱが無いので、小さく出来ない!ということになります。年二回の剪定はやって欲しいですね!
夏剪定・後
常緑樹において夏剪定はとても大切な作業です、大きさを調整して来年のために形を整えます。また開花時期と絡んでくるので、どの樹木と植物をどのくらい剪定するのか、また秋冬にどのくらい剪定できるのかを考えて作業しています。
北側花壇
一年間空いていましたので、圧倒的な剪定量となりました。ロシアンオリーブなんかは切るしかないという感じで、小さくまとめました。ローズマリーは後ろの通路を目隠ししてる役割もあるので、高さはある程度にとどめ、透かし剪定を行い通気性を確保します。
一番背の高い樹木は”タイサンボク”、ロシアンオリーブの前にあるのは”シマトネリコ”です。いまいち成長が良くないのである程度の剪定で終了しました。葉っぱの付きもあまり良くないですね、根っこに原因があるかと思いますが、周りの樹木を剪定してみて半年間様子を見ます。
南側花壇
剪定するときに気を付けるのは”完成のイメージ”を持つことです。剪定した後も素敵な樹形、素敵な花壇でなくてはなりません。全体の完成イメージをして、それから一本一本の樹木をどのくらい剪定するか決めます。
年間何回剪定できるのかも考えましょう!こまめに剪定できるなら、一回の剪定量を少なくすることで、植物を健康的に管理することが出来ます。例えば樹木などは大きくなったからと言って、思い切ってたくさん枝を切ると、樹木は命の危険を察知して、生きようと頑張ってグングン枝を伸ばそうとします。そうなるとまた来年もたくさん枝を切ることになり、悪循環になります。
それぞれの花の時期だけは知っておきましょう!いつ花が咲くのか?つぼみを切ってしまわないよう楽しみは残しておくべきですね!花が終わったら剪定のやり時です、花柄摘みとしながら枝の剪定もできると、管理としてはベストです!
まとめ
オージープランツはとっても今時の植物です、住宅デザインや皆さんの感性にマッチします。ただ成長が早い植物でもあるのです、グングンと背を伸ばして枝を広げるものが多いです。年に二回ぐらい剪定管理できると、とっても素敵な状態で長くオージープランツを楽しめます!
この花壇は地面に防草シートを敷いて砂利を入れています。地面まで植物を植えると、どれかが生き残ってという”弱肉強食の世界”になります。自然に近いから良いのかもしれませんが、人の手が入って共存できるのが一番だと考えてます。オージープランツは植物や樹木の数を限定して、一本一本を大切に楽しむ環境づくりも必要かもしれません。
植物は管理が全てです、夏剪定は6月~7月、冬剪定は10月~11月、落葉樹は12月~2月、その樹木に合った剪定時期がありますので、剪定も楽しいイベントとして皆さんでやってみるのも良いものですよ!オージープランツは真夏と真冬の剪定はしないでください、時期が良くないので枯れる可能性があります。
オージープランツや剪定のご相談、お庭づくりのことはコチラからご連絡ください。
LINEでのお問合せが増えています。画像や連絡のやり取りが楽々なのでオススメです!