昔々、音もなく、電話も車もない時代。私達の生活はとても狭い範囲で完結していたことでしょう。朝、朝日で目覚め川の水で一日がスタートする。
家畜からいただくお肉と卵、収穫した麦やお米をいただき感謝する。仕事も自然を味方に動物や植物など生き物を相手にする。草が生えたら刈り取り、木と切り取り材木で家を建てる。石材は家の土台になり、家畜を仕切る壁になる。
自然と人間と生き物。それらが支え合って地球のバランスがとれていた。良いも悪いもなく、与えて受け取る、バランスが全てだ。
時代を遡ることは出来ないし、現代の科学は人間を進歩させている。今のままでいい、でもほんの少し人間の本能をくすぐる何かを生活に取り入れよう。それが私達のお庭づくりの考え方。本能が喜ぶ、癒されるお庭づくり、それには自然素材が良い。チカラがある。自然のチカラ。
もくじ
5日目【石積み花壇】
石積み
今回の石積み花壇は5段を目安にしました。前回より直径が10cm大きくなり面積が広がります。それは古木オリーブの根っこの為でもありますが、このオリーブにはちょうど良いサイズ感とも考えて決定しました。
さらに石積みのデザインを少し更新、建物側を少し高くすることで奥行を持たせようと考えました。同じ高さでグルり、もいいですが動きが無く石材の存在感が沈みがち、古木オリーブに負けちゃいますね。
石積みのポイントは”石は多め”ということです。石はどれもピッタリ設置出来るワケではありません、合う石、合わない石があります。つまり多めに石材を準備して使える石を選ばないといけない、…つまり石がけっこう余る!ってことです。
もちろん余った石材はまた次回使いますよ!でも石積み合わないので、なかなか出番がないかも?しれません。そんなときはその石を割ってしまって石積みの中に入れてしまいます。すべての石を使い切る、これがとても素敵なんです!
私達はお客さんから注文を受けて庭づくりするとき、石材や材料を発注します。それはお客さんの予算を預かって代わりに注文していると考えています。ということは発注した石材はお客さんの物です。ですので出来る限り有意義に使いたいと願っているのです。
石積みが出来上がりました!今回は奥行を出すために”コーピング”をいう、石を立てて重りにする仕立てにしました。平たんになりがちな石積みに立体感が出てきました!
さらにこれで完成ではなく、安全対策も行います。この石積みが行われてきたイギリスでは地震がありません。そのため石積みが崩れるという心配も少ない。
この日本では数限りない地震が発生しています。さらに病院という公共性がある場所ですので、石積みの一番上だけはセメントで固定しています。小さなお子さんが乗っても崩れないということです。
このセメント作業も色に気を付けて、石と似た色のセメントを使っています。皆さんがよくご存じのグレーのセメントだと、ちょっと興ざめしちゃいますよね。
セメントの色を石と同じにする意味は、目立たないということです。今回のような石積みだと裏側が良く見えてしまいます。そのため茶系のセメントを使うことで、目立たず安全を確保することが出来ます。
これだけで上の子供が乗っても大丈夫!少しのことなんですけど、必要なことですね。このオリーブをより近くで見たいでしょうし、だって幹に大きな穴が空いてるんですよ~。触ってみたいことでしょう!
まとめ
今回は石積みのカタチを変えて施工してみました。スッキリした単純な円形花壇は、植物を美しく魅せる手伝いをしてくれます。
古木オリーブは一本だけだけど、強烈な個性と存在感があります。それと共存するために石積み花壇も主張が必要です。そのため”コーピング”という石を立てて置き重しにする施工にしました。こっちの方がイギリスでは本来の石積みなのです。
皆さんの花壇にも石積みを使ってみませんか?お庭が非日常の癒し空間へ早変わり!その自然素材のチカラを感じてみましょう!これはオススメです。
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