お庭づくりは時としてかなりの時間を要するモノがあります。それはお庭づくりの施工自体ではなく、プランづくりや打合せなどに時間を割かれます。
今回の品川区で施工した”人工芝と植栽”の庭づくりもまた、半年に渡って打合せを繰り返しました。作成したプランは3つ、お見積り書は十数枚に及びます。お客さんとの連絡もメールで50通も超え、お庭へ伺ったのは2回。それはよくあることで何度も経験してきました。
人生でお庭づくりって何回やるでしょうか?ほとんどの方が一回、多くとも2回ぐらいなのではないでしょうか。もちろん樹木や植物の管理はその後も続きます。それでもお庭自体のカタチを変えるのはまれですね。
ですので私達が打合せで大切にしているのは”生活”です。それも今だけはなく、今後5年10年、ときには20年先を考えてプランをご提案しています。
もくじ
施工前のお庭
場所は品川区の住宅地、新しい世代の方々へその所有が移り変わっていく時期の街。こちらは元々あった旧家を取り壊し、二世帯が住まわれる新しい住宅を建築されたばかり。かつてはとても広かったお庭は半分ぐらいになったそうです。
家が二軒分ですからね、それはお庭も狭くなるでしょう。しかし元からかなり広かったお庭はそれでも今の東京都内の環境を考えると広く感じました。
大切な樹木たちは建築屋さんが移植してくれたそうですが、なかなか維持するのが難しい状態。芝生だったお庭はいつしかドクダミなどで溢れかえった地面に。
樹木はところ狭しと植栽され、それぞれが成長をとげ大きく幅広くなってかなり密になってきた様子。南向きのお庭も大きなハクモクレンと柿の木で日陰になっています。
かつては剪定を行っていたそうですが剪定屋さんも世代交代の時期、次の剪定管理も含んだご依頼でした。
ご希望
上の画像はイメージですが、”お庭を広くしたい”それがお客さんのご希望でした。住宅がお庭の方へ迫ってきたため、広かった芝生が無くなって樹木が近くになってしまったそうです。
私達が拝見するかぎりそれでも広い敷地、樹木をしっかり整理すればお庭はその本来の広さを発揮してくれると感じました。
プラン
これは私達が作成した品川区のナチュラルガーデンのための図面です。樹木や植物の位置を壁際へ後退させ、必要な樹木、残す植物を整理整頓します。お客さんにとってはどれも大切な樹木や植物かもしれません、それでも本当に必要なモノは何か?という観点で、先の5年や10年、そのもっと先まで何を持って行きたいか、考えてもらって樹木と植物を残します。
もちろんそんなにすんなり行きませんからね、コレもアレも残すってなりますし、実際残しました。それは”心の安らぎ”や”好き”って気持ちを優先したからです。それもまた素敵なことです。
ときには移植して新しい役割を担ってもらい活躍してもらったり、なるべく予算も捨てるのも最低限にしていきます。それには”ココには樹木が必要”という理由を探します。今回はほとんど目隠しが欲しかったので必要な樹木たちの居場所がすぐに見つかりました!
さらにイメージ画を作成します。下草や立体的に俯瞰で見るコトで風の通り道だったり、ボリュームだったり色んなことが見えてきます。
そして広い住宅側のスペースは、今回は人工芝に決まりました。芝生やディコンドラの植物でグランドカバーを行って管理するって案もありましたが、忙しい毎日や広い面積の管理を考えて人工芝にします。それは良いも悪いもなく、皆さんの生活がより豊かであることが選ぶ基準ですね。
さらにポイントなることをお客さんと共有するための資料を作成します。移植する予定の樹木や選択していただく項目、さらに新しく植えこむ樹木を記載して確認してもらいます。
これはごく一部です、実際は何度もやり取りしていますので、必要最低限の内容しか記載されていません。もっとたくさんの樹木を移植しています。
新しく植えこむ樹木の資料です。どんな樹木かを知っていただくための資料です。これは提案でもありますし確認のためでもあります。
関東ではハイノキが少ないので結構貴重ですね、私たちはハイノキが好きなのでよくオススメしています。ナナミは昔から使われていた樹木です。あまり密になり過ぎず、半日陰でゆっくり成長してくれますのでコチラも良く使っています。オススメです!
また下草などの植物も資料を作ります。今回のテーマに合う植物で皆さんが管理しやすいモノを選び、ご提案しています。植物がもっとお好き~という方々には、ちょっと珍しい植物やそのテーマに合ったものをご紹介しています。
こちらの植物は剪定や管理が楽々で、忙しいご家族の皆さんでも気軽に楽しめる植物です。放っておいても育ってくれて花を探せてくれる、そんな植物たちです。
他にももともとコチラのお庭にある植物を移植して使います。それはお客さんが好きで植えれたモノであったり、大切にしていた植物たちでもあります。”思入れ”そういったモノも大切にしてもいいかもしれません。
施工
下準備
大きなハクモクレンが満開のピークを越えようとする時期、品川区の人工芝と植栽の庭づくりはスタートします。ハクモクレンは春を告げる、大きな高貴な雰囲気が満載の素敵な花ですね。私達もとても好きな樹木です。
奥の大きな樹木はカキノキです。最近では少ししか実がならないそうです。かなり大きくなって、どちらの樹木も夏にはかなり葉っぱを茂らすそうです。それでもこのお庭を昔から見守ってきた神木のような存在でもあります、貴重ですね。
まずは残す樹木などの剪定管理を行います。落葉樹に関しては葉っぱがないこの時期が、剪定の時期です。お庭づくりの前にスッキリさせることでお庭全体を”視覚化”させます。お庭の状態を良く把握するってことですね。まずは綺麗にすることで、どうお庭づくりをすればいいのか分かりやすくなります。
落ち葉や下草も綺麗にします、要らない雑草も草刈りしてしまします。
さらに移植するもの、抜根するものを最終的に決定して作業します。かなりスッキリしているのが分かります。新しい樹木を入れる前に、まず引き算!出来るだけ今の状態を整えます。移植する先は、まず予定していた場所に植え込みます。
しかし、それでOKなワケでもないのです。新しい準備した樹木もあります。その樹木たちとのバランスなども考えてさらに移動させることもあります。
まとめ
このようにまずは綺麗に整える。いっけん遠回りのように思えますが、今現在の状態をしっかり把握することが大切ですね!モノづくりって大変~ひと手間かけることで、より良いお庭が出来ていくでしょう。
皆さんの歴史あるお庭で、新しい次の世代のためのお庭づくりを行う場合は、まず残すものを決めます。それは樹木や植物そのものが大切というワケではないのです。皆さんの心の在り方を大切にすることでもあるのです。
人によって価値感は違います、古い樹木に愛着があるならそれを大切にします。その樹木を残す前提でお庭づくりを行うことも出来ます。それを決めるのは皆さんです、私達が出来るのは皆さんの心の声に耳を傾けることです。
皆さんの価値あるお庭づくりはコチラからご相談してください。
私達の公式アカウントもあります、連絡や資料のやり取りが楽々です。