冬の庭仕事6選|春に差がつく土づくり・剪定・雑草対策をプロが解説
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「冬は植物が少ないから庭でやることがない」「春になったら雑草がまた生えてきた」「植物が元気に育たない」と悩んでいませんか?

実は、冬にやった分だけ、春から植物が元気に育ちます。
冬の間に土づくり、病害虫予防、剪定、株分け、冬越し準備、雑草対策をすることで、春以降素敵な庭ができます。

この記事では、冬にやるべき庭づくりの6つのことを解説します。
天地返し、啓蟄の時期、成長点の守り方、雑草が生えづらい環境の作り方が分かります。

冬が一番やることがある理由

冬にやった分だけ植物が元気になる

冬にやった分だけ、春から植物が健康に育ちます。

冬は植物が少ないからといって家にこもりがちですが、冬こそ準備のチャンスです。
この冬に準備しておくことで、春以降素敵な庭ができます。

土と環境が整うと、植物も元気に育ち、花や実つきもよくなります。

冬にやるべき6つのこと

冬の庭づくりで重要な作業は以下の6つです。

  • 土づくり(天地返しと土壌改良)
  • 病害虫予防
  • 剪定
  • 株分け
  • 冬越し準備
  • 雑草対策

これらの作業を冬の間に行うことで、春以降の庭が劇的に変わります。

1. 土づくり|天地返しと土壌改良

天地返しとは

天地返しとは、土を掘り起こして上下逆さにすることです。

今まで表面にあった土を下に入れ、下にあった土を上に出します。
土をひっくり返すことで、病害虫予防につながります。

天地返しの効果

天地返しの効果:

  • 直射日光が当たり、余分な病気・雑菌を天日干しで駆除
  • 土の中の虫(コガネムシの幼虫など)を除去
  • 病原菌を減らす

土の中は地表より3〜5℃高く、虫は幼虫のまま冬越ししています。
土を掘り起こすことで、虫を除去できます。

プランターの天地返し

プランターをひっくり返して、土をブルーシートの上に広げます。
特に野菜を作っている方におすすめです。

病気(うどんこ病、ベト病)になった土は、必ず天日干しをしましょう。

病気になった植物の根を取ったとしても、その土に病原菌が残っている可能性が非常に高いからです。

地面の天地返し

冬は落葉樹など地面が見えやすい季節です。
移植ゴテ(小さいスコップ)で20cm程度掘り起こします。

移植ゴテの長さが約20cmなので、1杯分掘り起こせば十分です。
これだけで土の中の病原菌を抑えることができます。

土壌改良:堆肥

堆肥はすべての栄養が入っている生命の源です。

堆肥を入れることで、庭に小さな自然の循環を作ることができます。
米ぬかも微生物を活性化させる効果があります。

冬の間に準備しておき、春になったら新しい植物を植えることができます。

土壌改良:苦土石灰(くどせっかい)

苦土石灰は、土のpH(酸性・アルカリ性)を中和します。

日本の土は酸性に傾いています。
理由は、雨が酸性寄りだからです。

苦土石灰を入れるとアルカリ性に寄り、酸性だったものを中性に戻します。
畑や家庭菜園で使いやすい石灰です。

土壌改良:有機石灰

有機石灰は、卵の殻や貝殻を粉砕したものです。
穏やかに土の状態を酸性から中和します。

植物が植えてある庭に使いやすい石灰です。
苦土石灰は植物がない場所向け、有機石灰は植物が植えてある場所向けです。

土壌改良:鶏糞

鶏糞はエネルギー量が強いため、去年成長が良くなかった場所に仕込みます。

土壌改良のスケジュール

石灰と肥料は同時に入れず、必ず間隔を空けます。

施用の手順:

  1. 苦土石灰を入れる
  2. 1〜2週間休ませる(土に馴染ませる)
  3. 肥料・鶏糞を入れる
  4. 1週間休ませる
  5. 植物を植える

苦土石灰を撒いてすぐに植物を植えると、植物が負けてしまう可能性があります。
2月中旬までに土の準備を済ませ、3月後半には植物が植えられる状態にしておきましょう。

2. 病害虫予防|3月から始める

冬は虫が出にくい

冬は病害虫が出にくい時期です。
しかし、コガネムシの幼虫は土の中で休んでいます。

土を広げた時に、殺菌スプレーや殺虫スプレーを予防的に散布すると効果的です。
直接的に虫が見えなくても、予防として散布しましょう。

殺虫剤の種類

主な殺虫剤:

  • オルトラン(錠剤):3ヶ月持続、長く効く
  • スミチオン(液剤):速効性、直接その部分にかける
  • オーガニック系の殺虫剤

啓蟄(けいちつ):3月5日〜19日

啓蟄とは、虫が動き出す時期のことです。

1年間を24分割した二十四節気の一つで、3月5日から19日が啓蟄にあたります。
この時期に虫が動き出す、つまり春の訪れです。

害虫も一緒に動き出すため、先に植物を守る必要があります。

3月から殺虫予防を始める

4月ではなく、3月から殺虫予防を始めることが大切です。

害虫がこちらに来る前に、先に植物に殺虫剤をまいておきます。
害虫が寄りつかないよう、先回りした対策が必要です。

3. 剪定|3月までに枯れた枝葉を切る

宿根草の剪定

宿根草は、地上部が枯れています。
春になると、枯れた部分から緑になるのではなく、地面から新しい新芽が出てきます。

そのため、冬の間に枯れた枝葉を切る方がベストでしょう。
落葉樹も同じで、春に芽吹いて新しい葉が出てきます。

落葉樹の剪定

落葉樹は、葉っぱが落ちた時(休眠期)に切ります。
例えば桜は太い枝を切ると枯れ込むと言われますが、休眠期であれば切ることができます。

腕ぐらいの太さ、胴体ぐらいの太さ、これぐらいの幹や枝でも、休眠期に切ることができます。
落葉樹は3月までの間に、できる限り切りましょう。

シードヘッドもカット

シードヘッドとは、種や植物の枯れ姿のことです。
冬の時期にシードヘッドや枯れ姿を楽しむ庭もあります。

シードヘッドや枯れ枝は、3月まで、できれば2月までにカットします。

理由は、枯れた枝の下には球根があり、1月15日時点で早いものは動き出しているためです。
3月にはみんな一斉に球根や芽が動き出すため、それまでに太陽の光をしっかり地面に当てる必要があります。

トップジン(保護剤)

太い枝や幹を切った場合、切り口から雑菌が入り、枯れ込む可能性があります。
切り口から水分が抜けたり、雑菌が入ったりして木が弱ります。

トップジンというペースト状の保護剤を切り口に塗ることで、切り口を保護できます。
冬の間に桜など太めの枝を切った場合は、トップジンで傷口を塞いでおきましょう。

4. 株分け|大きくなった植物を分ける

株分けとは

株分けとは、大きくなりすぎた植物を半分や1/4に分けることです。

大きい1つが小さな4つになるようなイメージです。
地面に植えていると、年々根や植物自体が大きくなります。

背丈が高くなったり、横幅が出てきたりした植物を分けてあげることで、コンパクトに小さくできます。

株分けの時期

株分けの時期は、11月〜12月、3月前後がおすすめです。
真冬(1月〜2月)はやめた方が良いです。

ただし、植物の種類によっては冬の時期でも株分けができます。
植物が少ないこの時期、地上部がないこの時期だからこそ株分けができる植物もあります。

株分けの方法

ポットを抜いて、ハサミやのこぎりで株を切って分けます。
見た目より簡単です。

例えば、1つの苗を買ってきて2〜3年経ったら株分けして2つに育てる、増やすということができます。
結構面白いので、ぜひトライしてみてください。

5. 冬越し準備|成長点を守る

寒さに弱い植物を守る

冬は寒く、植物は裸です。
寒さに弱い樹木や植物は、この寒さに負けて枯れてしまいます。

寒さに弱い植物は、人がダウンを着るようなイメージで、やさしく守ってあげましょう。

不織布を巻く

不織布を巻いて、お布団を被せる、洋服を着せる感じで、1枚上着を足すイメージで守ってあげましょう。
寒さから守り、雪や葉っぱが凍ることを防ぎます。

葉っぱに雨がついていたら、それが凍ってしまうこともあるため、そうならないように寒さ対策が必要です。

成長点とは

各植物には成長点があります。

成長点とは:

  • ここから育っている場所
  • 成長している場所
  • 細胞分裂が起こって、どんどん大きくなる葉っぱが出ている場所

フェニックス・ロベレニーの成長点

フェニックス・ロベレニー(ヤシの木の種類)の成長点は、葉っぱの付け根です。
真ん中の新しい葉が出る部分を重点的に守ります。

アガパンサスの成長点

アガパンサスの成長点は、根っこと茎の境目です。
ここで茎と葉っぱの境界があり、ここからどんどん細胞分裂が起こって葉っぱが出てきます。

若い葉っぱはここから育ってきて、古い葉っぱになると垂れて枯れていきます。

成長点を守る方法

寒さに弱い植物の成長点がどこなのかを調べ、そこだけでもきっちり守ります。

不織布や毛布を巻いて、成長点を寒さから守ります。
光合成できるように葉っぱが少し出ていれば大丈夫です。

不織布の追加効果

不織布は虫対策にもなります。
果実を虫から守りたい場合は、不織布を上から被せておけば虫対策になります。

6. 雑草対策|冬は雑草が生えづらい

冬は雑草が生えてこない

冬は植物が少ない = 雑草も生えてこない、生えづらいです。

「雑草」という名前の植物はありません。
雑草も植物なので、冬は成長しづらいのです。

夏は雑草を取ったら1週間後にピョンと出てきたり、1ヶ月経ったらまた元通りということがあります。
しかし、この冬の間は雑草を取ったら次は生えてこない、生えづらいのです。

庭づくりは冬がベスト

実は庭づくりは、この冬の間にやるのがベストです。

1回雑草を取って、休日に庭づくりをするとします。
月の初めに雑草を取って、また1週間経ったら雑草が生えていたら嫌ではないですか?

冬の間であれば、1週間経っても2週間経っても雑草が生えてきません。
この冬の間に庭づくりをして、春を迎えて植物を植える、それが本当はベストなのです。

雑草対策の方法

  • 雑草を取っておく
  • 地面をシートで覆う
  • 雑草が生えてこない、生えづらい環境を作る

まとめ:冬の準備で春以降が変わる

冬は植物が少ないからといって家にこもりがちですが、冬こそ準備のチャンスです。
冬にやった分だけ、春から植物が健康に育ちます。

冬にやるべき6つのこと

  • 土づくり(天地返しと土壌改良):2月中旬までに準備
  • 病害虫予防:3月から殺虫予防を始める(4月ではない)
  • 剪定:3月までに枯れた枝葉を切る
  • 株分け:大きくなった植物を分ける(見た目より簡単)
  • 冬越し準備:成長点を守る
  • 雑草対策:冬は雑草が生えづらい、庭づくりのベストシーズン

冬だからこそできること

冬は植物が少ない、花がないから寂しい庭というわけではありません。
実はこの冬に準備しておくことで、次の春以降すごく素敵な庭ができます。

庭が健康になれば、土が健康になれば、環境が健康になれば、植物も健康で素敵な結果を出してくれます。

ちょっとしたことで大きく変わる

庭のメンテナンス、ちょっとしたことでもだいぶ変わってきます。
ぜひこの冬の間に、やってみてください。

季節の準備と庭づくり

東京都とNHK主催の東京パークガーデン選出されたぐりんぐりん横田

冬の準備と同じように、季節ごとに適切な管理を行うことで、植物は最高のパフォーマンスを発揮します。
冬にやった分だけ、春から植物が元気に健康に育つのです。

ぐりんぐりんは、東京都・NHKが主催する「東京パークガーデンアワード」に参加しています。
このコンテストは、宿根草をメインにした庭づくりを競うもので、結果は2026年11月に発表される予定です。

宿根草は地上部が冬に枯れ、春に地面から新しい新芽が出てきます。
冬の間に枯れた枝葉を切り、土づくりをすることで、春に美しい花を咲かせることができます。

季節の「旬」の植物の管理方法や、庭づくりのコツについては、東京パークガーデン公式サイトガーデンストーリーにて月1〜2回のペースで記事が公開されています。

また、ぐりんぐりんのYouTubeチャンネルでも、冬の庭づくりや季節ごとの植物の手入れを定期的に発信しています。
ぜひあわせてチェックしてみてください。

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