いつも皆さんのご希望は”オシャレ、管理が楽、花を楽しめる”、そんなたくさんの願いが詰まったご要望が多いですよね。それはもちろん大切なことです!
ではどんなお庭や花壇がいいか?ショップのような、イングリッシュガーデンのような、シャビー風に、どう表現したらいいのか、それはまだ分からないってこともあります。
かつてはイングリッシュガーデンやフランスアンティークが流行ったり、もちろん今でも人気の根強いテイストではあります。
でも日々の維持や管理は?けっこう植物だらけで楽しみが”義務”になってしまったりしてませんか?”やらなきゃ!”って思っちゃう。

近年、一番皆さんに見て欲しいお庭のスタイルを今回はご紹介します。この新築住宅の花壇は、施工主さんの熱烈な願いがあって実現しました。
もくじ
施工前

場所は横浜、新築住宅の花壇です。シンプルでモダンな住宅は植栽がないと、ちょっと沈んだ感じがします。特にモノトーンですから余計に感じます。
施工主さんのご希望は”ロックガーデン”、イメージの画像を拝見しましたけど、予算的ななかなか難しい内容でした。
予算がたくさんあるなら何だって出来ます。でもそれでは皆さんにとって何の喜びもない完成になりますよね。それを何とか実現するもの私たちの仕事の一部です。

では予算ってどこに必要なのか?施工費というのはある程度ならそんなに変わる事はありません。大きく変わる要因は”材料費”です。
単純に海外から入ってくる材料は輸送費が必要ですし、資源には限りがあります。また私たちの感覚を刺激するのもまた高価なものが多いのです。

じゃぁどうするのか?それは”見せ方”、または”組み合わせ”で工夫するのです。安価なものを安価に見せない。単品で見るとよく見かけるものを、他の物と掛け合わすことで、その価値を上げるのです。
そして”工夫”とは、”手間”でもあります。ちょっとした手間をかけることで、全体の雰囲気を変えることが出来るのです。
手間とは惜しむべきものではなく、かけた分だけ改善されるものです。『すべて真実は詳細に宿る』というある芸術家の言葉もあるほど、モノづくりには必要なものです。
イメージ

施工主さんからお話しを伺って、私がイメージしたのは”アメリカ・ロッキー山脈”。30年近く前に訪れた普遍的な地球の風景。水の存在を失った岩砂漠、太陽と空っ風、ディープな空が記憶の底から浮かび上がってきます。

岩山です。角が立つような岩肌が露出したような力溢れる風景ですね。山の上ではそういった角が立った岩や石、砂利が見られます。絶妙な采配で植物が繁殖していますよね。素晴らしい風景です!
植栽作業

全体の完成をイメージして植物の配置を行います。成長するスピードや幅を考えてバランスを取っていきましょう!今と3年後の姿はどれも変わっていくのです。
あとは色合いや葉っぱなど、その植物が放つ雰囲気と感性を考えて配置をしていきます。試しに色々と実際に置いてみて、一番お好きな配置で良いでしょう!
樹形とか大きさとかありますが、予算が許す範囲で植物を選んで良いと思います。どうしても欲しいものだけこだわって、その植物を中心に他を考えましょう。
施工後
全景
完成した様子です。花壇に対して”ロックガーデン”とか”グラベルガーデン”と言うのはどうかとも思いますが、花壇だからこそ出来るテイストでもあります。
ロックは”岩”、グラベルは”砂利”、その両方を使うことで機能的かつ、オシャレな花壇になるのですね!
植物について

手前の離れた小さな花壇には、人目を引くグレビレアを這い性ローズマリー、そしてカレックスだけを植栽。施工主さんのグレビレア愛を実現しました!
ポイントは”植物を植えすぎないこと”、それぞれが独立して育っていくスペースがある。それぞれが主役を張れる植物だという事です。

表札やインターホン、ポストがある花壇はメインとして”フォーカルポイント”と考えます。グっと目を引く植物を選んでみましょう!今回は個性が強い”アガベ”を植栽しました。
そして花が期待できる”グレビレア”、来客の皆さんの邪魔にならないよう這い性を選んでます。春先にはピンク色の花がお客さんを出迎えてくれます。

樹木や植物の背の高さを凸凹にすると、花壇全体に”動き”が出て見栄えがします。そしてそれぞれが育っていくと、さらに広がりが出て面白くなりそうですね!
施工主さん好みの植物で構成しています。それでも色んな大きさなどがあるので、育った後のバランスを想像することが大切です。
石や砂利について

ロックガーデン、グラベルガーデンという両方の要素を取り入れた花壇、下には防草シートを敷いています。ご想像の通り”防草効果”がある!というのがまず第一です。
植え替えの際、砂利を移動して地面を露出させて植え替え作業が出来ます。砂利と土は出来るだけ混ぜない方が良いと思います。

ではここで砂利や石のついてご紹介します。何かって、砂利はこういった住宅の周りに敷く砂利の中で、一番安いものを使っています。いわゆる”砕石”と言うものです。
皆さんのご近所にも使われてませんか?特に関東では多く、建築屋さんが使う砂利というイメージです。地域によって取れる砂利の色など違いますから、関西では茶系かもしれませんね。

そして白っぽい割栗石、また砕石と言われるよくある直径20cmぐらいの岩を使ってます。ちょっと茶がかってるのが雰囲気を出してくれてますね!
じゃぁ砂利と石だけじゃん⁉って思われるでしょうが、その上でひと手間かけるわけです。それは砂利の大きさは2種類、1cmぐらいと2~3cmぐらいを用意。20cmの石はハンマーで割って色んな大きさに加工しています。
そして砂利や石を置くのに”流れ”とつくるのです。分かりやすいように言うと”グラデーション”です。例えば日本の山々が今のカタチをしてるのは地震の波や噴火の流れた跡なのです。または風や水の浸食が生んだ自然の形なのです。
大きな石、少し小さな石、それから大きな砂利、小さな砂利、それは”流れ”であり”意味”がある順番なのです。ただ何となく置いてあるわけではなく”テーマ”や”目的”があるのです。
それがちょっとした”手間”なのです。手間は無限で無料ですのでかけた分だけ良くなりますよ!
下の段【10センチの目地】
下の段には10センチほどの目地があります。コンクリートの駐車場でよく見かける隙間ですよね。一般的にもその隙間には砂利が入っていたり、タマリュウなどが植栽されています。

その隙間にも今回の植栽は実現できます!ロックガーデンやグラベルガーデンはちょっとの隙間だって大丈夫!広いお庭も素敵ですが、小さな花壇でも出来るのが素敵!
でも実際に土壌が少ない場合がありますので、乾燥に強い植物を選ぶことも大切です。全部を植物にする必要もありませんし、出来る範囲で楽しまれるのが良いですね!
他の場所の植栽
駐車場と中庭を隔てるルーバーの前の植栽エリアだって、ちょっとオシャレに仕上げる!ただ最後に赤玉を敷くだけで見た目もスッキリ!雑草だって減りますよ。

花壇だからと言って植物をたくさん植える必要はありません、皆さんが育てられる範囲で楽しむ!そして何よりひとつの植物や樹木が育つスペースを取っておくこと!
こちらのエリアも砂利と石を使いたかったけど、予算の都合で最後は赤玉を敷いて完成しました。でもドライな感じが出てスッキリしていますよね!
左からウェストリンギア、フェイジョア、スティパです。ウェストリンギアはこんもり広がるように育っていきます。フェイジョアも横に広がるように育ちますので、いずれこのルーバーの目隠しとして機能します。スティパは株が大きくなってボリュームが出てきます。楽しみです!

そのルーバーの奥の中庭、デッキの上に鉢植えを設置して目隠しの樹木を植栽してます。施工主さんのお好みでシマトネリコとオリーブです。
本来、もっと枝が広がってる樹木を選びたいところですが、予算の都合上、両方ほっそりとした樹形です。それでも広がるような剪定管理をすれば、近い将来、素敵な目隠し樹木になってくれるでしょう!
まとめ
これで予算は40万円強です。出来るだけ予算を抑え、材料費を削り、組み合わせや手間をかけて理想のお庭づくりを実現しています。もちろん予算があるならもっと色んな表現が出来たでしょう。

施工主さん、完成をご覧になって手をたたいて喜んでおられました。求めたもの以上の表現が出来たと思います。皆さんが喜んでくれるなら、この植栽はこれで良かったのです。
今、一番オススメの庭のスタイルです。ロックガーデンでありグラベルガーデンである。ポイントは”手間”と”ストーリー”です。

砂利を敷くことで雑草を軽減出来て、ただ植物を植えるだけよりストーリーがある花壇になって、剪定管理が楽な植物たちで構成されている。
ちょっとしたことでとっても楽しい小さな花壇が出来上がりますよ!ぜひチャレンジしてみて欲しいです!皆さんの素敵なガーデンライフを応援しています!


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