去年(2023年)の真夏は、猛暑が続きました。人も休日外で過ごせないくらいの暑さ、雨も降らずに植物たちもよく耐えたものです。
薔薇は、夏の湿度の高い暑さにとても弱いです。そのため、いつものお手入れ方法だと夏バテを起こしてしまった薔薇が多発します。また、夏を過ぎて猛暑のダメージを受けて株が弱ってしまった薔薇は病気にかかりやすくなります。
いつもより少し、お手入れの回数を増やしてあげるとその分、綺麗な花を咲かせてくれます。
うどん粉病
葉の表面に発生するカビ。春に現れ始める。真夏はカビも暑さで出てこないが、35度を下回り晴と雨を繰り返す曇天が続く秋に多く見られる。葉の表面が白く覆われてしまうと、光合成が出来なくなり、生育不良になってしまい株が弱ってしまう。
うどん粉病の対処方法
うどん粉病に感染した葉っぱや花は全て取る。そして、ダコニールやベニカxネクストスプレーを散布する。上から茎や葉の表裏、一番大切なのが地面!
うどん粉病は、冬眠が出来るカビです。冬に葉が落葉してリセットされたと思いがちですが、鉢や土にカビが潜んでいるとその年も感染してしまいます。
必ず地面にも振りかけましょう。
黒点病
うどん粉病と同じく、高温多湿になる時期や環境によって、葉の表面に発生するカビです。風や雨による土の跳ね返りによって、空気中や土の中にいた黒点病の病原菌が薔薇の体内や表面に侵入します。
去年(2023年)は、春先と秋のうどん粉病は少なく安心でしたが、秋に黒点病が多発しました。写真のような少量の点々ならば、数枚落とせばよいのです。ですが、株全体の葉が黒くなってしまうのが最も怖い状況です。
秋の薔薇は、来春に向けて準備期間でもあります。葉がどれだけ残ったかで、来春の花数が変動します。そのため、秋~冬までの間でなるべく葉を落とさないようにしたいのです。
黒点病の対処方法
うどん粉病と同じように感染した葉を取ります。そして、殺菌。もちろん、土壌にも殺菌をします。
薔薇が弱っているのに病気に感染
うどん粉病や黒点病に感染しているのに、株も元気がない、、そんなときどうすればよいのか、何を優先すればよいのか分からなくなります。まずは、株に元気を取り戻すことを優先で考えていきます。
株が弱った様子。これは、8月の猛暑の中耐えている薔薇です。水分不足で葉っぱもどんどん落としてしていずれ丸裸になりそうです。このような状況で病気にかかってしまう事はよくあります。
多少の感染は、そのままにしてしまいましょう。また、株が弱っているので、殺菌の頻度を減らします。1回の量で沢山散布して抵抗力をつけます。
葉がない薔薇については、光合成が上手くできなくなります。そのため、水の量は減らすのがポイント。この場合は、殺菌も薄めて散布をしてあげます。
夏バテや弱った薔薇の対処方法
夏バテの薔薇・弱った薔薇には、基本的に肥料を与えません。肥料は栄養ドリンクのようなもので、人で言うステーキやグラタン!人も病気になってしまったときの夕ご飯は消化の良い食べ物を選びますよね。人も植物も同じです。人が元気なときにステーキやグラタンを食べるように、植物も元気なときに肥料を与えましょう。
また、夏バテで弱ってしまった薔薇には、堆肥を透き込んであげるとより元気になってくれます。鉢植えの場合、日陰に鉢を移すことで体力消耗にもつながります。
弱った薔薇の対処
- 水を控える
- 肥料をあげない
- 活力剤を与える
ミリオンやハイポネックス、メネデールがオススメ - 植え替えない
- 土の状況確認
水はけは大丈夫か、余った肥料をとる
普段の管理+
私は、6月や夏空けの薔薇は、弱りやすく病気によく感染することを考慮し、管理の際には枝は切らずに葉っぱを多めにもぎってしまいます。
毎週の管理が出来れば良いですが、そうもいきません。月1回のメンテナンスでは、お客さんがどのくらいお庭のお手入れが出来るか、1ヶ月でどのくらい葉が生い茂るかを考えながら、混みあっている葉を取って多湿にならないようにお手入れをしていきます。
それでも、薔薇は毎年綺麗な花を咲かせてくれるので、お手入れのやりがいがあります!普段仕事や家のことで忙しく、1ヶ月に1回まとめてお手入れをする方は、是非多湿を避けるような管理方法をしてみてください。
花芽を早めに取り、健康を維持!
1年草や多年草、宿根草など多くの植物が環境や温度変化を読みながら毎年花を咲かせます。桜や金木犀が咲くと、誰しもが春や秋がやってきた!と思い浮かぶように、自然と人とは昔から寄り添っているのだと、改めて偉大なのだと感じます。
薔薇も、春(5月)に1番花が開花し始めます。ぐりんぐりんでは、花が咲いて少し愛でると切ってしまいます。そして次の2番花へ早めに準備をしていきます。
これは、花を持たせすぎた薔薇は花に栄養を奪われ株全体の成長がしづらくなるからです。綺麗な見ごろなときに切った花は、花瓶に生けてもらいます。
そして、四季咲きの薔薇は、夏に花を咲かせません。7月までは花を楽しんでもらいます。8月に薔薇の夏剪定と同時に秋まで花芽は切っていきます。そうすることで、真夏を耐えることに集中してもらい、夏バテを減らします。
返り咲きの場合は、蕾の数を減らします。そうすることで夏も大輪の薔薇を咲かせるので、返り咲きと四季咲きの薔薇があると、春夏秋のお庭が華やかです。
薔薇の夏剪定の方法は、次の記事へ!
⇒夏のバラ管理|秋に美しく咲かせるための剪定!
切るのが遅かった薔薇、左の花びらが落ちた状態になるまでにしておくと、無駄な栄養が使われてしまいます。これでは、次の蕾の準備が遅くなってしまいます。
このような咲いたばかりか、咲いてから数日たった薔薇を切って花瓶へ!次に咲いてくれるであろう、左の蕾へ栄養を促しましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。毎年管理していても、去年は満開だった薔薇が今年は咲かなかったり、虫も病気もやってきます。また、夏もどんどん暑くなります。
その時の状況に応じた対応が出来るよう、準備をしておくことが大切ですね。また、どんな植物もそうですが、弱点は存在します。薔薇なら梅雨や真夏、日陰や水はけの悪い土の環境などなど。弱ってしまったとき、それらを1つ1つ確認と対処をしてあげると解決できます。
これらをふまえて今年も、たくさんの花を咲かせましょう!
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