「球根を植えたのに腐ってしまった」「宿根草がうまく育たない」そんな経験はありませんか?
実は、球根の向きや植える間隔、土づくりを間違えると、せっかくの植物が台無しになります。
特に、穴が開いている球根を上向きに植えると、水が溜まって腐る原因になるのです。
この記事では、東京パークガーデンアワードの制作現場で、プロが実践する球根と宿根草の植え方を解説します。
穴が開いた球根の正しい向き、植物を育てる3つのポイント、季節ごとの見どころが分かります。
東京パークガーデンアワード夢の島とは

1年間かけて育てる庭づくりコンテスト
東京パークガーデンアワードは、東京都・NHK主催の宿根草をメインにした庭づくりコンテストです。
会場は夢の島公園で、2026年4月から一般公開が始まります。
従来のコンテストと違い、5日間で制作した後、1年間かけて育て、4月・7月・11月の3回の審査を経てグランプリが決まります。
制作期間と一般公開
制作スケジュール:
- 制作期間:2025年12月15日〜19日(5日間)
- 一般公開:2026年4月〜12月
- 審査:4月・7月・11月の3回
- 結果発表:2026年11月末
波型花壇のデザインコンセプト

海から内陸へ|時間の経過を表現
今回の花壇は、海から砂浜、そして内陸へと続く時間の経過を表現しています。
花壇のサイズは幅約10m、奥行き約1.2m。
前後に2基の波型花壇が並ぶ構成です。
この形は、海の波のようなラインを描いています。
エリアごとの土の状態
花壇は3つのエリアに分かれています:
- 海・砂浜エリア:沖縄の海岸の砂を使用、土が痩せている状態
- 土が豊かになるエリア:くるみの殻を使用、果実が育つ環境
- 完熟・成熟した土のエリア:バークを使用、大きな植物が育つ環境
グランドカバーの違いで、土の豊かさを視覚的に表現しています。
参加型の庭

花壇の中には小道が作られており、来場者が中に入って植物を間近で見られるように設計されています。
見るだけでなく、参加して楽しめる庭です。
土づくり|10〜15年発酵させた堆肥

長期発酵させた堆肥の特徴
今回使用した堆肥は、10〜15年かけて発酵させたものです。
先代の堆肥に継ぎ足し継ぎ足しで発酵を続けており、10年経っても中から湯気が立ちのぼるほど、活発に発酵しています。
元の形も全くなく、匂いもありません。
非常にボソボソした良い状態で、植物が元気に育つ最高の土になっています。
米ぬかで微生物を活性化

堆肥に米ぬかを混ぜることで、微生物が活発になり、どんどん土を耕してくれます。
この作業により、花壇の中で自然の循環が生まれます。
宿根草の植え方|配置が最重要

配置が9割
宿根草を植える際、最も重要なのは配置です。
植えること自体は難しくありませんが、どれくらい成長するのか、前後の植物とどう関係を取っていくのかを考える必要があります。
植える前に目印をつける
波型花壇は独特な形のため、寸法をきっちり測って印をつけます。
その目印を基準に植物を配置し、植えていきます。
ただし、実際に植える時は目安なので、その場その場に応じて自然な感じで植えましょう。
宿根草を斜めに植える理由

今回の宿根草は、斜めのラインで植えられています。
正面から見たときに、広く見えるようにするためです。
このような角度をつけた植え方により、視覚的に奥行きが感じられる庭になります。
球根の植え方|穴が開いている球根は横向きに

球根は1000個以上
今回の花壇には、1000個以上の球根を植えています。
球根の価格は200円から2000円まで幅広く、合計で相当な数になりました。
球根を配置したらすぐに植える
球根は土に置いたらすぐに植えないと、カラスに食べられたり、盗難に遭ったりします。
配置したらすぐに植えるようにしましょう。
球根の植え方の最重要ポイント
植物の植え方アドバイザーの安斎さんから、最も重要なポイントを教えていただきました。
リコリス(ヒガンバナ科)などの球根:

てっぺんに穴が開いている球根は、横向きに植えます。
理由は、上向きに植えると穴に水が溜まって腐ってしまうからです。
横向きに植えることで、水が溜まらず、腐るのを防げます。
根っこは球根のどこからでも出てくるため、横向きに植えても全く問題ありません。
球根の植え時期
球根は本来、9月〜10月に植えるのがベストです。
12月はギリギリの時期ですが、植えることは可能です。
「秋植え」と言われる通り、秋のうちに植えておくのが理想的です。
プロが教える植物を育てる3つのポイント

宿根草専門家・はるはなファーム
今回、仙台からはるはなファームの鈴木さんが参加してくださいました。
はるはなファームは、日本全国に宿根草を出荷している専門家です。
一般向けの販売はしておらず、卸専門ですが、お近くの園芸店ではるはなファームの宿根草を見つけることができます。
植物を育てる3つの重要ポイント
鈴木さんに、植物を育てる上で大切なことを3つ教えていただきました。
① 植物に適した場所に植える
庭に合わない、間違った場所に植えないことが最重要です。
植物にはそれぞれ適した環境があります。
日当たり、水はけ、風通しなどを考慮して、植物に合った場所を選びましょう。
② 植物同士の間隔を確保する
植物同士がちゃんと育つ場所をキープすることが大切です。
密植しすぎると、風通しが悪くなり、病気になりやすくなります。
③ 土と植物の相性を考える
水はけ、肥料分など、その植物に合わせた土を選ぶことが重要です。
また、環境に合わせて植物を選ぶ方法もあります。
土と植物の相性を考えることで、健康で元気な植物が育ちます。
季節ごとの見どころ

4月:球根の花が波のように
最初に楽しめるのは、4月の球根の花です。
花壇の右側から全体を見ると、球根の花がまるで海辺の波のようにうねったラインで咲いている姿が見られます。
7月:宿根草の花がメインに
球根が終わって7月になると、今度は宿根草の花がどんどん咲いていきます。
球根と入れ替わるように、宿根草がメインになります。
宿根草がメインになる夏は、花壇の左側から全体を見ると、また違った波のようなボーダーが楽しめます。
見る場所が季節で変わる設計
見る位置が、向こう側からこちら側へ、季節によって変わる設計です。
年4回ほど来ていただければ、それぞれの季節の美しさを楽しめます。
植物図鑑も公開
今回使った植物は、ぐりんぐりんのホームページで植物図鑑として公開されています。
どの植物が使われているのか、詳細を確認できます。
まとめ:プロのコツで健康な植物を育てる
球根と宿根草の植え方には、プロならではのコツがあります。
特に、穴が開いている球根は横向きに植えることで、水が溜まって腐るのを防げます。
球根と宿根草の植え方|重要ポイント
- ✓ 穴が開いている球根は横向きに植える(水が溜まって腐るのを防ぐ)
- ✓ 宿根草は配置が最重要(成長後のサイズと前後の関係を考える)
- ✓ 植物に適した場所に植える(日当たり、水はけ、風通し)
- ✓ 植物同士の間隔を確保する(風通しを良くする)
- ✓ 土と植物の相性を考える(水はけ、肥料分)
- ✓ 10〜15年発酵させた堆肥で自然の循環を作る
東京パークガーデンアワード夢の島は、2026年4月から一般公開されます。
4月の球根、7月の宿根草と、季節ごとに見どころが変わる庭づくりです。
1年間かけて植物が育つ様子を、ぜひ実際に見に来てください。
1年間育てる庭づくり

今回の記事で紹介した球根と宿根草の植え方は、東京パークガーデンアワードの制作現場で実践されたプロの技術です。
このコンテストは、5日間で制作した後、1年間かけて育て、4月・7月・11月の3回の審査を経てグランプリが決まります。
結果は2026年11月に発表される予定です。
植物には「旬」があります。
4月の球根、7月の宿根草と、季節ごとに最も美しい姿を見せてくれます。
庭が育つ様子や、季節ごとの植物の管理方法については、東京パークガーデン公式サイトやガーデンストーリーにて記事が公開されています。
また、ぐりんぐりんのYouTubeチャンネルでも、今後の管理の様子や植物の成長記録を定期的に発信していきます。
ぜひチャンネル登録をして、1年間この庭を一緒に見届けてください。


