「フェイジョアが大きくなりすぎて、年末に剪定したい」「でも冬の剪定は良くないと聞いた」と悩んでいませんか?
実は、フェイジョアは南米原産の温暖地の樹種で、寒い時期の強剪定は枯れ込みや痛みの原因になります。
特に、今年伸びた枝には来年の花芽がついているため、12月に切ると花が減り、実がならなくなる可能性があるのです。
この記事では、本来NGな12月剪定について、やむを得ない場合の安全な方法を解説します。
太い枝を切らないルール、実がつく枝の見極め方、理想的な剪定時期が分かります。
フェイジョアとは:南米原産の実のなる木

南米原産の温暖地の樹種
フェイジョアは、南米の温暖な地域に自生する常緑樹です。
オーストラリアやニュージーランドを経由して日本に入ってきた、温暖な地域を原産とする樹種として知られています。
温暖地域の植物のため、寒さにはあまり強くありません。
そのため、12月の寒い時期に思いっきり切ってしまうと、枯れ込んだり傷むことがあり、注意が必要です。
人気の品種:アポロとクーリッジ
フェイジョアには、アポロ、クーリッジ、トライアンフ、マンモスなど、さまざまな品種があります。
お庭で最も人気が高いのはアポロとクーリッジです。
この2品種が選ばれる理由は、1本だけで実をつけることができるからです。
他の品種は受粉樹が必要な場合があるため、これから植える方は品種をよく確認しましょう。
6月に花が咲き、10〜11月に実がなる
フェイジョアは、今年伸びた枝に翌年花芽をつけ、そこから花が咲き実がなります。
6月頃に花が咲き、10月末から11月にかけて、実が落ちてくる頃が収穫の目安です。
この成長サイクルを理解することが、正しい剪定のカギになります。
12月剪定が「NG」な3つの理由

理由①:今年伸びた枝に来年の花芽がつく
12月は今年伸びた枝に、すでに来年の花芽がついている時期です。
この枝を切ってしまうと、来年の花が減ったり、実がならなくなる可能性があります。
実を楽しみたい場合は、花芽を残すことが最優先です。
理由②:寒さで枯れ込みや痛みが発生
フェイジョアは南米原産の温暖地の樹種のため、寒さにあまり強くありません。
12月の寒い時期に強剪定すると、枯れ込んだり痛むことがあります。
特に太い枝を切ると、回復に時間がかかるため大変危険です。
理由③:これから寒さが厳しくなる時期
12月は、これから一気に寒くなる時期です。
場所によっては寒さが厳しくなるため、本来であれば10月までに剪定を終えておきたいところでしょう。
10月以降の剪定には、十分な注意が必要です。
理想的な剪定時期:3月〜6月がベスト
3月〜6月が最適な理由
フェイジョアの剪定に最も適しているのは、3月から6月の間です。
早くても3月、遅くても7月までに行うのが目安になります。
この時期がベストな理由は以下の通りです:
- ✓ 花が咲く前後なので、花芽の様子を見ながら剪定できる
- ✓ どこを切ってはいけないのかが分かりやすい
- ✓ 気温が温かいため、木へのダメージが少ない
- ✓ 太い枝を切っても回復しやすい
それでも12月に剪定する理由
理想的な時期が分かっていても、やむを得ず12月に剪定しなければならない場合があります。
12月に剪定する主な理由:
- ✓ 年末の大掃除で庭をきれいにしたい
- ✓ 業者に依頼するのは年2回程度で、樹種別に呼べない
- ✓ 庭の他の木と一緒に剪定せざるを得ない
- ✓ 樹種ごとに最適な時期に剪定するのは現実的ではない
このような事情がある場合は、次に紹介する「安全な12月剪定の方法」を実践してください。
やむを得ず12月に剪定する場合の方法
絶対ルール:太い枝は切らない
12月剪定の最重要ルールは、太い枝を切らないことです。
太い枝を切ると一気に弱り込む可能性があり、枯れ込むリスクが高くなります。
12月は「緊急事態」と考え、木への負担を最小限にする剪定を心がけましょう。
基本方針:不要な枝だけを切る
12月の剪定は、本当に不要な枝だけを切り、内側まで日が当たるようにする「すかし剪定」が基本です。
高さを大きく下げたり、強剪定をしたりするのは避けましょう。
あくまでも「整える程度」「不要な枝の除去」に留めることが大切です。
すかし剪定の効果

不要な枝を切るだけで、以下のような効果があります:
- ✓ 枝の間が透けて、向こう側の空が見えるようになる
- ✓ 内側まで日が当たるようになる
- ✓ 風通しが良くなる
- ✓ 無駄な作業をしなくても樹形が整う
フェイジョアは元々樹形が整いやすい形になるため、太い枝を切る必要はありません。
不要な枝だけを取り除けば、自然に美しい形になります。
やむを得ず切る場合:通路に飛び出た枝
通路に飛び出た枝など、どうしても切らなければならない枝もあります。
このような場合は、木に我慢してもらうしかありませんが、それ以外の部分では極力太い枝を切らないようにしましょう。
花芽を上手に残すことが大切
12月剪定で最も重要なのは、花芽を切り落とさないように、上手に残すことです。
花芽がついている枝を見極めて、それを残すように剪定しましょう。
花芽は翌年の花になり、花が終わると実になるため、実を楽しみたい方は特に注意が必要です。
切る枝・残す枝の見極め方

切るべき枝①:徒長枝(真上にまっすぐ伸びた枝)
最優先で切るべきなのは、徒長枝(とちょうし)と呼ばれる、真上にまっすぐ伸びた枝です。
徒長枝には以下の問題があります:
- ✓ 実がつきにくい
- ✓ 日光を遮ってしまう
- ✓ 縦ラインに枝が残り、樹形が悪くなる
- ✓ 樹形に合わない
前回切った場所から真上に出てきた枝は、まず切ってしまっても大丈夫です。
切るべき枝②:内側に向かった枝
内側に向かって伸びた枝も切りましょう。
内側の枝が多いと、中心部に日が当たらず、風通しも悪くなります。
切るべき枝③:枝同士が当たっている枝
周りの枝に当たっている枝も不要です。
枝同士が当たっていると、風通しが悪くなり、それぞれの枝が成長する空間がなくなります。
残すべき枝①:下に垂れた長い枝(最重要)

最も残すべきなのは、根元から長く、下に垂れるように伸びた枝です。
この枝には以下の特徴があります:
- ✓ 花芽がつきやすい
- ✓ 実がなりやすい
- ✓ 枝の先端に実がついて、少し垂れる
- ✓ 中間部分にも花芽がつく
この枝は大切にして、周りの不要な枝を切っていきましょう。
残すべき枝②:背の低い将来性のある枝
木を小さくしたい場合は、背の高い枝を切って、背の低い枝を残します。
たとえば、高い枝と低い枝が並んでいる場合、高い枝を切って、低い枝を新しいてっぺんにすることで、木の高さを下げることができます。
ただし、12月の時期は、背の低い枝に花芽がついていない場合もあります。
この時期は無理に切らず、将来性のある枝として残し、周りの背の高い枝だけを切りましょう。
枝の分岐点での判断

枝が上向きと下向きに分かれている場合、実がつきやすいのは下向きの枝です。
上向きの枝を切り、下向きの枝を残しましょう。
このようにして、根元から1本長い枝が残るように整えていきます。
収穫時期の見極め方
実がポトポト落ち始めたら収穫のサイン
フェイジョアの実は、色の変化が少ないため、いつ収穫すればいいのか分かりにくいという特徴があります。
見極め方は簡単で、10月末から11月頃に実がポトポト落ち始めたら、それが収穫時期です。
十分にパンパンに膨れた実が自然に落ちてくるのを待ち、それを拾って食べるのが一番美味しい食べ方です。
木についている状態で切ると青臭い
実がついている段階で切って食べることもできますが、青臭くて美味しくありません。
必ず、自然に落ちた実を拾って食べるようにしましょう。
まとめ:リスクを理解して安全に剪定

フェイジョアの12月剪定は、本来であれば避けたい「緊急事態」です。
しかし、やむを得ない事情がある場合は、今回紹介した方法で安全に剪定できます。
12月剪定の重要ポイント
- ✓ 太い枝は絶対に切らない
- ✓ 高さを大きく下げない
- ✓ 不要な枝だけを切る(すかし剪定)
- ✓ 徒長枝(真上の枝)を優先的に切る
- ✓ 下に垂れた長い枝を大切に残す
- ✓ 花芽を切り落とさないように残す
- ✓ 内側まで日が当たるようにする
理想的な剪定時期は3月から6月です。
この時期であれば、太い枝を切っても問題なく、花の様子を見ながら剪定できます。
12月の剪定は「できないことはない」が、「気をつけて欲しい」作業です。
フェイジョアは寒さにあまり強くないため、大切に扱ってあげてください。
10月末から11月には、美味しい実を楽しめます。
正しい剪定方法を身につけて、花と実の両方を楽しみましょう。
花も木もたのしめる庭づくり

フェイジョアのような実のなる木を取り入れることは、庭づくりの大きな楽しみの一つです。
花を観賞し、実を収穫する——季節ごとの変化を感じられる庭は、暮らしをより豊かにしてくれます。
ぐりんぐりんは、東京都・NHKが主催する「東京パークガーデンアワード」に参加しています。
このコンテストは、宿根草をメインにした庭づくりを競うもので、結果は2026年11月に発表される予定です。
コンテストでは、季節ごとの「旬」の植物に注目しながら、おすすめの宿根草や球根植物を紹介し、長期的に美しい庭を維持する方法を実践しています。
その様子は、東京パークガーデン公式サイトやガーデンストーリーにて記事が公開されています。
また、ぐりんぐりんのYouTubeチャンネルでも庭づくりの様子を定期的に発信しています。
ぜひあわせてチェックしてみてください。庭づくりのヒントが見つかるはずです。


