「庭に石のアプローチを作りたいけど、砂の上に置くだけでは不安定」「セメントを使った施工は難しそう」と思っていませんか?
実は、セメントを使った石の平板施工は、下地作りと「バサモル」という特殊なモルタルの使い方を知れば、DIYでも十分可能です。
間違った方法で施工すると石がガタついたり、水が溜まったりと、失敗してしまいます。
なお、本記事は、ぐりんぐりん公式YouTubeで公開された内容をもとに構成しています。
動画内で紹介されている施工方法や考え方は、東京都およびNHKが関わる「東京パークガーデン」などの取り組みにも通じる内容です。
こうした取り組みについては、公式サイトや「ガーデンストーリー」などの園芸メディアでも紹介されています。
セメント施工が必要な理由と完成高さの決め方
なぜセメントで固定するのか
石の平板を砂の上に置くだけでも施工できますが、玄関アプローチなど多くの人が通る場所、自転車が通る場所、長期的に安定させたい場所では、セメント固定が推奨されます。
セメントで固定することで、石がガタつく心配はありません。
完成高さの決め方
施工を始める前に、完成の高さを決めることが最も重要です。
高さの基準となるのは、排水マスの蓋・既存の通路・玄関ポーチの高さです。
排水マスは露出している必要があるため、その高さに合わせて石の平板を設置しましょう。
すべての石が同じ高さになるよう、水糸で基準線を作ります。
下地作り:砕石の敷き方と転圧

地面を12cm掘り下げる
石の平板を設置する前に、地面を掘り下げます。
完成高さから逆算して、12cm掘り下げる必要があります。
掘る深さの内訳
| 層 | 厚み |
|---|---|
| 砕石 | 5cm |
| モルタル | 4cm |
| 石の厚み | 2cm |
| 合計 | 11〜12cm |
砕石(路盤材)の種類と役割
下地には40-0という砕石を使用します。
最大粒径40mm(4cm)から最小粒径0mm(砂状)まで、大小さまざまな粒が混ざっているのが特徴です。
大きな石の隙間に小さな砂が入り込むため、転圧すると非常に固く安定した地面が作れます。
ホームセンターでは「路盤材」「砕石」「6号砕石(粒径5〜13mm)」という名称で販売されており、6号砕石でも代用可能です。
転圧の方法

砕石を5cm敷いたら、転圧が必須です。転圧にはタンパを使いますが、なければ重い石やレンガ、ブロックでも代用できます。
転圧の手順
- 砕石を広げる
- タンパで何度も叩く
- 砕石が足りない箇所に補充
- 再度叩く
- カチッと固まった感触になるまで繰り返す
しっかり転圧することで、石を置いた後も沈まない安定した下地が完成します。
寒冷地の注意点
関東より北の凍結地域では、施工方法が変わるため注意が必要です。
砕石を15cm以上入れ、その上にコンクリートを5〜8cm打ち、その上にモルタルを敷いて石を設置します。
土の中の水分が凍って膨張すると石が押し上げられてしまうため、砕石を厚く入れる施工が有効です。
石の平板の配置とカット方法

仮置きで配置を確認する
モルタルを敷く前に、必ず石を仮置きして配置を確認しましょう。
これにより、実際に石が収まるか確認でき、カットが必要な箇所が分かり、石同士の隙間(10mm程度)を調整できます。
測った寸法ではピッタリ入る予定でも、実際には壁の出っ張りなどで入らないことがあるため、仮置きは重要な工程です。
石のカット方法

カットが必要な場合は、グラインダー(丸ノコタイプ)に刃を取り付けて使用します。
他に必要なのは鉛筆(HB)と、スタイロフォーム(発泡スチロール状の建築材料)または木材です。
カットの手順
- カット寸法を測る
- 鉛筆でしっかりと線を引く
- スタイロフォームや木材の上に石を置く
- グラインダーで慎重にカット
スタイロフォームの上でカットすれば、石と一緒にスタイロフォームも切れるため、安定した作業ができます。
水勾配と排水の考え方
重要な注意点があります。
石を全面に敷いてしまうと、雨水の逃げ場がなくなってしまうのです。
基本は家から庭に向かって低くし、水が流れる方向を計画します。
今回の施工では、5cm程度の幅を持たせた排水用の隙間を2箇所設けています。
この隙間から雨水が流れるため、水が溜まりません。
バサモル(バサモルタル)の作り方

モルタルとコンクリートの違い
まず、基本的な違いを理解しましょう。
モルタルはセメント+砂+水で作られ、コンクリートはセメント+砂+砂利+水で作られます。
石の平板施工では、モルタルを使用します。
バサモルの配合比率
基本の配合は砂3:セメント1です。
砂を3袋入れ、セメントを1袋入れ、水を入れる前によく混ぜます(ミキサー推奨)。
その後、水を少量ずつ加えていきます。
バサモルの水分量

通常のモルタルと違い、バサモル(バサバサのモルタル)は水分が少ない状態です。
通常のモルタルがバケツ2杯の水を使うのに対し、バサモルはバケツ1杯程度の水で作ります。
握ると塊になるが、押すと崩れる状態が目安です。
この乾いた状態のモルタルを石の下に敷き、石を設置後に上から水をかけることで固まります。
なぜバサモルを使うのか
バサモルを使う理由は、石の高さ調整がしやすく、水分が少ないためすぐに固まらず、作業時間に余裕が持てるからです。
通常の水分の多いモルタルでは、作業中にどんどん固まってしまい、高さ調整が困難になります。
石の平板の設置方法

水糸で基準を作る
石を設置する前に、水糸(糸)を張って基準を作ります。
家の壁から60cmの位置に糸を張り、高さは排水マスより1cm高い位置が基準です。
石は糸より1cm下(排水マスと同じ高さ)になるようにします。
この糸を基準に、すべての石の位置と高さを合わせましょう。
バサモルを敷く
施工手順
- 石を一度どける
- バサモルをシャベルで敷く
- 壁際や隅々まで確実に入れる
- 平らにならす
- 中央部分を少しくぼませる(重要)
中央をくぼませる理由は、石を叩いた時にモルタルの逃げ場を作るためです。
石を設置して叩く

設置の手順
- 石をバサモルの上に置く
- 水糸から1cm下の高さになっているか確認
- ゴムハンマーで叩いて高さを調整
- 水平器で傾きを確認
- 高い部分を重点的に叩く
- 最終的に水糸の位置にピッタリ合わせる
注意点として、叩きすぎると石が割れますが、最後はしっかり叩いて固定する必要があります。
石を持ち上げたまま完成ではなく、必ず叩いて押さえてください。
水やりと養生

すべての石を設置したら水をかける
石の設置が完了したら、上から水をたっぷりかけます。
シャワーホースで優しく全体にかけ、石の表面を洗い流すつもりで、端っこのモルタルもしっかり濡らしましょう。
十分な量をかけることで、バサモルが水を吸収して固まります。
下地を濡らす理由
石を設置する前に、砕石を敷いた地面にも水をかけます。
これは、乾燥した砕石がモルタルの水分を吸収してしまい、特に夏場(37℃など)ではモルタルが適切に固まらなくなるのを防ぐためです。
養生期間
水をかけた後は、1日放置すれば大丈夫です。
翌日には人が乗っても大丈夫な状態になります。
目地入れの方法

目地材の選び方
石と石の間の目地(隙間)にモルタルを入れましょう。
目地材には専用の目地材(タイル用で綺麗に仕上がる)とモルタル(自然な仕上がり、砂の表情が出る)があります。
自然石の場合は、モルタルをそのまま使う方が、自然なザラザラした表情になり、おすすめです。
目地モルタルの作り方
配合は同じ砂3:セメント1ですが、水分量は多めにします。
バサモルより水を多く入れ、ネバネバした状態(通常のモルタル)にします。
目地の入れ方
施工手順
- 柔らかいモルタルを作る
- 石の隙間に流し込む
- 隅々まで確実に入れる
- 余分なモルタルを拭き取る
- 乾いたらスポンジで表面を掃除
重要な注意点として、石を設置する時には目地を入れません。
石がすべて固まってから目地入れをしてください。
同時に行うと、目地のモルタルが流れてしまいます。
施工可能な範囲と注意点
この方法で対応できる用途
今回紹介した方法は、人が歩く玄関アプローチ、庭のエントランス、自転車が通る程度の場所に適しています。
一方、自動車の駐車場やトラックなど重量物が乗る場所には対応できません。
車が乗る場合は、コンクリートの下地が必要になります。
水勾配の重要性
必ず意識すべきことがあります。石同士の隙間はセメントで埋まるため、水の逃げ場がありません。
そのため、石の表面に傾きをつけ(水勾配)、水が流れていく方向を作る必要があります。
広い面積を施工する場合、水勾配を計画しないと水が溜まってしまいます。
まとめ:セメント施工のポイントは下地とバサモル
石の平板をセメントで固定する施工は、正しい手順で行えばDIYでも十分可能です。
施工の5つのステップ
- 1 完成高さを決める
排水マスや既存の通路を基準に - 2 下地を作る
12cm掘って砕石5cm、しっかり転圧 - 3 バサモルを敷く
砂3:セメント1、水は少なめ - 4 石を設置
水糸で基準を作り、ゴムハンマーで叩いて調整 - 5 水をかけて養生
1日で固まる、翌日に目地入れ
成功のポイント
- ✓ 下地の転圧をしっかり行う
- ✓ バサモルの中央をくぼませる
- ✓ 水勾配を計画する(排水の逃げ道を作る)
- ✓ 寒冷地では砕石を厚く、コンクリートを追加
この方法で施工すれば、玄関アプローチや庭の小道として、長期間安定して使用できます。
実際の施工手順や細かなポイントは、動画で見ると分かりやすいです。


