デザインの本質
僕たちの世界はデザインで満ち溢れています。洋服、家電、イヤリング、爪切りひとつとってもデザインされています。時代によって大きく変化して社会風刺の一面もあります。しかしデザインの本質は”問題解決”です。
人間が猿人であった時から矢じりなどの道具は、獲物を狩るために進歩してきました。より丈夫に機能的にデザインを変えてきたのです。より壊れにくく、より切れるように。困ったことやより便利に考えることを”デザイン”と言います。
お庭でよく聞くのが手付かずで荒れている、水はけが悪く歩きにくい、雑草、日当たり、忙しいなど問題があるわけです。皆さんの困りごとを解決することが一番大切であり、それが本来のデザインの在り方です。
デザインの次へ
その次の段階は何でしょうか?より美しいもの、カッコイイもの、より自己表現したいという欲求が生まれてきます。装飾したり昆虫や花、動物をかたどった道具だったりします、それは”アート”であり”芸術”なのです。そこに最低限の期待を越えた感動や豊かさを感じるのです。僕たちは機能的デザインに加え、芸術性を重要視しています。
表現は欲求
芸術の起源は6億5000万年前の石器時代の洞窟壁画までさかのぼります。家畜や野生動物を壁に描きました。何のために?それは『余暇』です。同時に音楽や貝殻の装飾や、土器の柄にも見て取れます。
それはただ生きるためのモノから逸脱した、楽しみや欲であり個人的な表現です。当然、現代でもその象徴表現は僕たちの生活に欠かせないものであり、ひとりひとりの人間な欲求です。
庭の意味は”植物や石材、築山などでつくった美しい場所”とされています。実用性を求める住宅より、もっと『余暇』を楽しむ一面があります。過去の短歌や俳句を顧みればそのことが良く理解できます、人の心情は自然と共にあるのです。
庭づくりにおける”DESIGN”とは問題解決を越えた、人生をより豊かにする芸術のチカラが不可欠なのです。