植物と人間の関係
庭づくりを考える方々にとって、大切な要素のひとつが”植物”です。私たちも植物に癒され、大好きで庭づくりをはじめました。そういった、自分たちの実体験や原風景を大切にしています。花や果実、宿根草、グラス、球根など、植物は私たちの生活や人生にとっては、欠かすことのできない大切な存在です。
生きたものがまだ無い、建てたばかりの新築住宅をご覧になったことがありますか?それだけでは生気が無く”もぬけの殻”です、血が通った感じがしません。私たちの本能は、私たち人間を含め、植物や動物など生命無くしては生きた心地がしないのです。

植物は、私たち人間よりずっと以前からこの地球に存在しています。自然環境や虫、動物と共存して生き残ってきて、人間より遥かに強い存在です。それらを思い通りにコントロールするのはとても難しいことです。
無理な植栽をすることは労力や時間のコストがかかり、終わることのない消耗戦になります。私たちはその自然をコントロールしようとするより、”共存していける植物”を選びます。その環境に適した植物を植えることで、管理の負担は減り、少しの手伝いで植物は健康に育ち、皆さんを楽しませてくれます。
北欧の庭づくりの植物たち

北欧の庭づくりで使う植物って、どんなものがあるんでしょう?まず環境から考えてみましょう!北ヨーロッパにあるスカンジナビア半島に、スウェーデンやノルウェー、そしてフィンランドはあります。もっと北にアイスランド、南にデンマークです。北緯55度から70度の環境です。
位置的には日本の北海道のはるか北、ロシアの北の方、そしてカナダの南側あたり。冬にはマイナス15℃とか20℃まで下がることがあり、日本でいうと長野、仙台、北海道ぐらいの感覚です。夏は19℃~25℃ぐらい、教科書でみた白夜(一日中、太陽が沈まない)の世界、夜の11時でも空は明るいのです。

この環境で育つ植物はなんでしょう?樹木は針葉樹や落葉樹がメインです。松、トウヒ、白樺などが多く、他にはハンノキ、ナナカマドが多いようです。果樹もベリー系、リンゴが多く、植物でも冬には葉っぱが無くなる宿根草や球根がほとんどで、日本で言うと北海道に近いようです。一年中葉っぱがついた常緑の樹木や植物のほとんどが、育つには難しい環境です。

しかし僕たちは日本に住んでいます。冬の寒さは信州や東北でも経験が出来ます。近年、ひそかに主流となっている球根や宿根草、グラスが主役のナチュラリスティックガーデンは、北欧でも日本でも適応出来ます。さらに夏には多種多様な植物が育つ、十分暖かい気温があります。
もっとも、四季の移ろいと共に生きてきた私たち日本人には、ナチュラリスティックガーデンの良さが理解出来るDNAなのです。春は芽吹きと球根を、夏は宿根草と深緑の葉を、秋は紅葉と果実、グラスの揺らぎ、そして冬には枯れ姿と種を楽しむことが出来るのです。
植物のチカラ
『食べ物って、このままで良いのかな…』そんな漠然とした不安を抱えてはいませんか?北欧の庭づくりでは家庭菜園や果実、ハーブを収穫し食べる楽しみがあります。子供たちに少しでも安全な食べ物をという皆さんの想い、それも忘れずに大切にします。
デンマークでは公共の場や街路樹に、果樹やハーブを植えて、誰でもどこでも収穫しても良いという、まるで楽園のような『公共の果実』という素晴らしい試みが行われています。皆さんのお庭でも、子供たちが自由に食べていい果物があったらどうでしょう?

私たちの植栽は”植物本来の力を呼び起こす”植栽です。自然素材を使った土壌や環境改良を行い、植物が育ちやすい状態にすることを大切にしています。環境に適せば植物は自分たちで育ち、僕たちにより多くの健康で美しい実りを恵んでくれます。

皆さんのお庭の状態にもよりますが、土壌は一番大切な要素です。僕たちの土づくりは"自然のチカラ"を引き出すことを目指しています。庭自体が自立してそこに小さな自然環境をつくる。微生物や細菌たちが土をつくり、植物が健康にそだち、また土へと還っていく。
“PLANTS”は僕たちと自然とを繋いでくれる、かけがえのない絆です。


