夢の島公園で開催中の「第4回 東京パークガーデンアワード」、私たちのガーデン「Stewardship Garden: The Way」は、外側から中心に向かって土壌が成熟していく様子を表現しています。
2月8日の大雪の影響も少なく、早咲きのラナンキュラス・ラックス・ミネルバには、すでにオレンジ色の花芽が現れ始めました。静かだった冬の庭が、少しずつ動き出しています。
4月のショーアップ審査に向けて、植物たちと共に準備を進める2月の様子をお届けします。
土壌の成熟を表現するコンセプト

外側から中心へ、土壌が成熟する
私たちがこのガーデンで最も大切にしているのは、外側から中心に向かうほど土壌が成熟していく様子を表現することです。
私たちは花壇の地面に、3種類の素材を外側から順に配置しました。
これは人の成長段階、そして土壌の成熟を象徴しています。
海に近い立地を反映
夢の島公園は海に近い立地です。
外側に配置している沖縄の海岸の砂は、この場所の環境を反映したデザインでもあります。
海からの風、塩分を含んだ空気、そうした環境の中で育つ植物たちの姿を、土壌の配置で表現しました。
2月の大雪と夢の島の気候

2月8日の大雪
2月8日、東京都心では大雪が降りました。
府中市の事務所周辺では積雪があり、庭の植物への影響が心配されましたが、夢の島公園は海に近いこともあり、影響は最小限でした。
2月10日に現地を訪れた際、夢の島公園は府中市より約4℃暖かく、植物たちは良好な状態です。
海辺という立地が、冬の寒さから庭を守ってくれているようです。
ラナンキュラス・ミネルバの花芽

早咲き品種の花芽

今月最大の変化は、ラナンキュラス・ラックス・ミネルバのオレンジ色の花芽です。
ミネルバはラックスの中でも特に開花が早い品種で、2月の時点ですでに花芽が確認できました。
青々とした葉の間から顔を出すオレンジの花芽は、冬の庭に春の訪れを予感させてくれます。
このまま成長すれば、3月中には開花が始まる見込みです。

アリアドネも順調

ミネルバだけでなく、同じくラックスシリーズのアリアドネも順調に成長しています。
アリアドネはミネルバより開花が遅いため、花芽はまだ見えませんが、葉の状態は非常に良好です。
審査に向けての開花調整
4月の審査に向けて
最初の審査期間(ショーアップ審査)は4月8日〜15日です。
ミネルバは早咲き品種のため、このまま成長すると審査期間より前に開花のピークを迎えてしまう可能性があります。
そのため、一度花芽をカットして成長をリセットし、審査期間に合わせて再び開花させることも検討中です。
この判断は3月の成長具合を見ながら慎重に行います。
審査日程
今年の審査は3回に分けて行われます。
- ショーアップ審査:2026年4月8日(水)〜4月15日(水)
- サステナブル審査:2026年7月8日(水)〜7月15日(水)
- ファイナル審査:2026年11月6日(金)
それぞれの審査期間に向けて、植物の開花時期や見頃を調整しながら管理を続けていきます。
他の植物たちの様子
アガパンサス白花の成長

私たちが植えたアガパンサスは複数株ありますが、1株だけが特に大きく成長していました。
他の株はこれから伸びる段階ですが、この成長の差も自然な姿として観察を続けています。
夏の開花が楽しみです。
セダム・マトロナ

花壇の前面にはセダム・マトロナを配置し、来園者の視線を引く役割を担ってもらっています。
葉色と花色(ピンク系)が特徴で、庭全体のアイキャッチプラントとして目を引く存在です。
球根植物の勢い

ダッチアイリスの球根からは、すでに約7〜8cmの芽が確認できる状況です。
クルミの殻を押し上げる勢いで成長しており、春の開花が期待されます。

アリウム・レッドモヒカンは、葉がすでに約30cmまで成長しました。
例年よりやや早い成長です。
モヒカン状のユニークな花は子どもに人気で、夏の開花が楽しみです。
アリウム・シュベティは、三角形の葉が複数確認できます。
大型の球状花を咲かせる予定で、私たちは開花スペースを確保して植栽しています。
背景を支えるグラス

カレックス・ブレーリー・フライヤーは、寒さの影響でまだ動きは少ないものの、低い位置で庭全体をやさしくまとめてくれています。
私たちはこの植物に、庭の土台を支える役割を期待しています。
これから本格成長する植物
アキレア・テラコッタは、まだ大きな変化はありませんが、春以降に本格的な成長が始まる予定です。
2月は準備段階で、本格的な成長は3月以降になります。
植え替え作業|オトコエシとオミナエシ

今月、重要な発見をきっかけに植え替え作業を行いました。
1月にオトコエシとして植えた3株が、実はオミナエシだったことが判明しました。
札による管理を行っていたため、植栽位置と品種の誤りを正確に把握することができました。
2月、私たちは正しいオトコエシを持参し、植え替えを行いました。
新しいオトコエシはまだ枯れ葉の状態ですが、春には新しい芽が出てくる予定です。

このような発見と修正も、植物を丁寧に観察しながら管理を続けているからこそです。
植栽の正確さを保ちながら、庭全体のバランスを整えています。
水分管理と土壌改良
花壇は小山状に造成し、堆肥を追加して土壌改良を行いました。
現在は週2回程度の水やりを行っていますが、地形の影響により乾燥しやすい環境です。
今後も植物の状態を観察しながら、適切な水分管理を継続していきます。
小道と空間体験

内部に入れる設計
私たちはこの庭に、来園者が内部に入り、植物を間近で観察できる小道を設けました。
外から眺めるだけでなく、実際に庭の中を歩くことで、縦方向の景観を楽しんでいただけます。
同じ庭でも、立つ場所や歩くスピードによって、まったく違う景色が見えてくるように設計しました。
没入感のある体験
この小道の設計により、来園者は庭に没入する体験を得られます。
植物の高さ、葉の質感、風の流れ、土の匂い。
五感で感じる庭づくりを目指しています。
空間体験を重視したこの設計は、子どもから成熟世代まで、それぞれのペースで庭と向き合える場所を作りたいという私たちの想いを形にしたものです。
まとめ|春への期待

2月の「Stewardship Garden: The Way」は、冬の静けさから春への動き出しを感じる月となりました。
ラナンキュラス・ミネルバの花芽は、4月の審査に向けて重要な指標となります。
他の植物たちも、それぞれのペースで春の準備を進めています。
来月3月は、開花調整の判断や新たな芽吹きなど、さらに大きな変化が訪れる時期です。
審査に向けて、植物たちと共に最善の準備を続けていきます。
2月の主なポイント
- ✓ 土壌の成熟を表現(砂→くるみの殻→バーク)
- ✓ 大雪の影響は少なく、植物は元気
- ✓ ラナンキュラス・ミネルバに花芽が出現
- ✓ 4月審査に向けた開花調整を検討中
- ✓ アリウム・レッドモヒカンが30cmに成長
- ✓ 来園者が内部に入れる小道を設計
- ✓ 週2回の水やりで土壌管理を実施中
第4回 東京パークガーデンアワードについて

ぐりんぐりんは、東京都・NHKが主催する「第4回 東京パークガーデンアワード」のファイナリストとして、夢の島公園で「Stewardship Garden: The Way」を管理しています。
庭の成長記録は、東京パークガーデン公式サイトやガーデンストーリーにて月1〜2回のペースで公開されています。
ぜひあわせてご覧ください。

