「庭づくりのコンテストって、作って終わりじゃないの?」
「宿根草の庭は、1年間どう管理するの?」
そんな疑問はありませんか?
実は、従来の庭づくりコンテストは2週間で制作して1週間展示して終わりというスタイルが主流でした。
しかし、東京パークガーデンアワードは全く違います。
1年間かけて育て、四季の変化を楽しみながら、3回の審査を経てグランプリが決まるのです。
この記事では、ぐりんぐりん代表の横田が書類審査を通過し、ファイナリスト5人に選ばれた「第4回東京パークガーデンアワード」の全容をまとめています。
宿根草ガーデンの魅力や夢の島公園での挑戦、「人生と庭」を重ね合わせたストーリーまでを整理しました。
東京パークガーデンアワードとは

コンテストの基本情報
第4回東京パークガーデンアワードは、宿根草をメインとした植栽コンテストです。
会場は夢の島公園で、2026年4月から1年間かけて一般公開されます。
ぐりんぐりん代表の横田は、書類審査を通過し、ファイナリスト5人に選出されました。
このコンテストのテーマは「海辺のサステナブルガーデン」で、管理の手間が少なく、自然の循環が生まれる庭づくりを目指しています。
宿根草がメインの理由
宿根草は、冬になると地上部が枯れて葉がなくなり、春になると再び芽吹く植物です。
一年草と違って植え替えの必要がなく、毎年同じ場所から新しい芽が出てきます。
このコンテストでは、寒い冬と暑い夏を乗り越えて、植物が元気に育つかどうかが審査の重要なポイントになります。
植物の四季の移り変わり、管理の技術、そしてデザイン性が総合的に評価されるのです。
従来のコンテストとの決定的な違い
チェルシーフラワーショーとの比較
世界的に有名なイギリスのチェルシーフラワーショー(以下、チェルシー)や、日本の日比谷ガーデニングショーなどは、約2週間で庭を制作し、1週間展示して終了というスタイルです。
横田は、チェルシーに制作者として参加した経験があります。
コンテスト形式の比較
| 項目 | 従来型(チェルシーなど) | 東京パークガーデンアワード |
|---|---|---|
| 制作期間 | 約2週間 | 5日間(2025年12月15-19日) |
| 展示期間 | 約1週間 | 1年間(2026年4月〜12月) |
| 審査回数 | 1回(完成時) | 3回(四季を通して) |
| 評価基準 | 完成時の美しさ | 管理能力・四季の変化・総合力 |
| 管理 | 不要 | 制作者が1年間継続 |
作って終わりではない、育てる楽しさ
東京パークガーデンアワードの最大の特徴は、作った後に1年間かけて育てることです。
寒い冬を超え、暑い夏を乗り越え、植物が元気に美しく育つかどうかが問われます。
制作者の知識、経験、ノウハウが総合的に試される大会であり、「サステナブル(持続可能)」というテーマに沿った、管理の手間が少ない庭づくりが求められます。
夢の島公園という特殊な環境

元ゴミ埋立地という歴史
夢の島公園は、元々海でした。
しかし、東京中のゴミが埋め立てられ、深刻な公害問題が発生した場所です。
その後、清掃工場が建設され、ゴミを焼却する際の熱を利用して温水プールなどが作られました。
現在の夢の島公園は、人間が積極的に関わって改善した結果、豊かな公園に生まれ変わったのです。
東京オリンピックではアーチェリー会場としても使われ、熱帯植物館やヨットハーバーなどの施設があります。
海辺の厳しい環境条件
夢の島公園は東京湾から約100mの場所にあり、海風の影響を強く受けます。
公園内にはヤシの木などの亜熱帯・熱帯植物が植えられており、海辺特有の環境です。
夢の島公園の環境特性
夢の島公園は、以下のような特徴を持つ、非常に特殊な環境です。
- 東京湾から100mの距離(海風・潮風の影響)
- 熱帯植物館がある亜熱帯環境
- ヨットハーバーがある臨海エリア
- 元ゴミ埋立地という土壌条件
- ヤシの木やソテツなどが植えられている
このような特殊な環境に適応する植物を選び、管理していく力量が試されます。
スチュワードシップガーデン ザ・ウェイ

タイトルに込められた意味
横田が今回のコンテストに提出した企画のタイトルは「スチュワードシップガーデン ザ・ウェイ(Stewardship Garden The Way)」です。
スチュワードシップ(Stewardship)とは
スチュワードシップとは、「積極的に関わって改善し、より良い状態にしてキープしていく」という意味です。
夢の島公園の歴史そのものが、このスチュワードシップを体現しています。
夢の島公園の変遷
① 元々は海(自然な状態)
② 人間がゴミを捨てる(マイナスの関与)
③ 公害が発生(環境の悪化)
④ 清掃工場建設・積極的改善
⑤ 現在の豊かな公園へ
ザ・ウェイ(The Way)= 道
「道」には2つの意味が込められています。
1つは庭づくりの過程・道のりです。
庭は最初から良い状態ではなく、土を改善し、植物を植え、管理していく過程で自然の循環が生まれます。
もう1つは人生の道です。
フラフラしながら歩く道もあれば、まっすぐ進む道もある。
大切なのは、その道を歩く人々が幸せであることです。
絵本形式で伝える庭と人生のストーリー
なぜ絵本形式にしたのか
通常、コンテストの書類審査では、完成した庭のイメージ図(パース)を1枚提出します。
しかし、横田は綺麗な絵を1枚見せるだけではテーマが伝わらないと考え、3枚の絵本を制作しました。
土の成長と人間の成長を重ね合わせ、ストーリーとして表現することで、「スチュワードシップガーデン」の哲学を伝えたのです。
この絵本は審査員から高い評価を受けました。
絵本1枚目:砂地と赤ん坊

砂地は植物が育ちにくい、まだ豊かとは言えない土です。
これは、生まれたばかりの赤ん坊の柔らかい心と重なります。
何でも吸収する時期、すべてが新しく映る時期です。
時間が経つにつれて土が改善され、植物や昆虫、微生物が増え、新しい循環が生まれていきます。
その姿は、まるで子供が自然の中で遊び、虫を捕まえ、発見や驚き、感動を得る時期と重なります。
絵本2枚目:家族と成長した土

男性と女性、そして赤ん坊を抱いている家族の絵です。
土もさらに育ち、種や果実を私たちに与えてくれる植物が育つようになります。
これは次世代へのバトンタッチを意味しています。
豊かな土地を次の世代に渡していく。
素晴らしい心を次の世代に継承していく。
そんな意味が込められています。
絵本3枚目:肥沃な土と成熟世代

土がすごく肥沃になり、どんな植物でも元気に健康に美しく育つ環境が出来上がります。
人間で言えば、年配の方、成熟世代です。
人間として成熟した年の頃を表しています。
土の充実と人間の充実を掛け合わせた、完成形のイメージです。
この段階では、庭の中に自然の循環ができあがり、植物が勝手に元気に育っていく理想的な状態になります。
表紙に込めた会場との関係性
3枚の絵を1枚にまとめた表紙も制作しました。
赤ん坊、子供、親、熟年層のすべてが描かれ、曲線の花壇、夢の島公園の熱帯植物館、豊かな土、そして東京湾の海が表現されています。
会場と庭、そしてそこを訪れる人々の関係性を1枚の絵に凝縮した、まさに表紙にふさわしい作品です。
サステナブルな庭づくりの哲学
最初から良い庭はない
横田の経験から言えば、最初から良い状態の庭というのは存在しません。
積極的に土を改善し、植物を植え、管理していくことで、やっと庭の中に自然の循環ができます。
その過程を経て初めて、植物が勝手に元気に育っていく素晴らしい庭が誕生するのです。
これがスチュワードシップガーデンの考え方であり、サステナブル(持続可能)な庭づくりにつながります。
亜熱帯・熱帯の宿根草と球根
今回のコンテストでは、夢の島公園の環境に合わせて、亜熱帯・熱帯の宿根草と球根をメインに使用します。
海辺という立地、熱帯植物館がある環境、そして「海辺のサステナブルガーデン」というテーマに合致した植物選びです。
書類審査後、実際に生産者に植物の在庫を確認し、入手できない場合は別の植物に変更するなど、実現可能なプランに調整していく作業が必要です。
現在はまさにその段階にあります。
メンテナンスが少ない庭を目指す
サステナブルガーデンとは、管理の手間があまりかからない庭のことです。
このコンテストが求めているのは、ローメンテナンスで美しく、自然の循環が生まれる庭づくりです。
宿根草を使うことで植え替えの手間が省け、適切な植物選びと土づくりで水やりや肥料の頻度を減らせます。
一般家庭の庭づくりにも参考になる考え方です。
スケジュールと一般公開情報
制作から最終審査まで
詳細スケジュール
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2025年12月15-19日 | 庭の制作(5日間) |
| 2026年4月 | 一般公開開始 |
| 2026年4月〜11月 | 3回の中間審査 |
| 2026年11月 | 最終審査・グランプリ決定 |
| 2026年12月まで | 一般公開継続 |
| 2027年1-2月 | 実際には楽しめる(横田の設計) |
一般公開は2026年4月から
2026年4月から、夢の島公園で一般公開が始まります。
宿根草の美しさを楽しめるのは春から秋にかけてで、特に4月〜6月、9月〜11月がおすすめです。
横田の設計では、公式の公開期間である12月よりもさらに先の2027年1-2月までしっかり楽しめる内容になっています。
四季を通じて変化する庭の姿を、ぜひ実際に見に行ってみてください。
まとめ:庭と人生が重なる瞬間
第4回東京パークガーデンアワードに、ぐりんぐりん横田がファイナリスト5人の1人として選出された背景と、その企画内容を紹介しました。
このコンテストは、従来の「作って終わり」ではなく、1年間かけて育て、管理し、四季の変化を楽しみながら審査を受ける新しいスタイルです。
宿根草をメインに使い、サステナブル(持続可能)な庭づくりを目指しています。
夢の島公園という、元ゴミ埋立地から豊かな公園に生まれ変わった場所で、横田が表現するのは「スチュワードシップガーデン ザ・ウェイ」。
積極的に関わって改善し、より良い状態をキープしていくという哲学です。
砂地から肥沃な土へ変化していく過程を、赤ん坊から成熟世代へと成長する人生と重ね合わせた絵本形式の提案は、審査員から高い評価を受けました。
横田の庭づくりの核心
- ✓ 最初から良い庭はない、積極的に改善していく
- ✓ 土を改善し、自然の循環を作る
- ✓ 植物が勝手に元気に育つ庭を目指す
- ✓ サステナブル(メンテナンスが少ない)な庭づくり
- ✓ 庭と人生の成長を重ね合わせる
大切なのは、その道を歩く人々が幸せであること。
横田のこの言葉に、庭づくりと人生の本質が凝縮されています。
2025年12月に制作が始まり、2026年4月から一般公開されます。
ぜひ実際に夢の島公園を訪れて、1年を通じて変化していく宿根草ガーデンの美しさを体験してください。
なお、ぐりんぐりん代表の横田は、東京都・NHKが関わる「東京パークガーデン」の取り組みの一環として、ガーデンストーリーにて、その庭づくりの考え方や姿勢が紹介されています。
こうした庭づくりの哲学が、本コンテストにも反映されています。
詳しい制作の様子や植物の解説は、今後の動画でもどんどん公開していきます。
今後は、実際に植える宿根草や管理の様子も記事と動画で紹介していきますので、ぜひチャンネル登録をお願いします。


