9月の長雨が明け、秋らしい空気に包まれたパークガーデン。グラスの穂が立ち上がり、庭の景色は少しずつ晩秋の表情へと移り変わっています。
一方で、10月の庭は全体的に水不足。水切れで枯れてしまった植物がある中、夏に咲かなかったアガパンサスが花を咲かせ、地面からは来年の春に向けた球根の芽も顔を出していました。
今回は、ファイナル審査を前にした10月のパークガーデンの様子をお届けします。
10月中旬の全体の様子

10月16日にパークガーデンを訪れました。
グラスの穂が立ち上がり、庭は秋らしい景色になってきています。
ただ、今月いちばん気になったのは全体的な水不足です。
水切れで上部が枯れてしまった植物や、枯れてしまった植物もありました。
一方で、9月にたっぷりと水を吸った植物が花を咲かせたり、厳しい中でもたくましく咲き続ける植物があったりと、庭の中にはさまざまな表情がありました。
水不足と長雨が残した影響
ベロニカ|上部が枯れたのでカットバック
Before

春から初夏にかけて庭を彩ってくれたベロニカ。
水切れによって、株の上のほうが枯れてしまっていました。
よく見ると、株元からは新しい芽が出ていたので、枯れた部分を思い切ってカットバック(切り戻し)しました。
After

切り戻したあとは、株元から元気な葉が広がっています。
上のほうが枯れてしまっても、株元に新しい芽が出ていれば、枯れた部分を切り戻すことで株を立て直せます。切る前に、まずは株元をのぞいてみましょう。
サポナリア|水切れで枯れ、スベリヒユが大繁殖

庭の端、砂浜をイメージしたゾーンに植えていたサポナリアは、水切れによって枯れてしまいました。
その一方で、繁殖させていたスベリヒユが大きく広がっています。
乾いた環境に強い植物が勢いを増し、庭の顔ぶれが少しずつ入れ替わっていく。うまくいかないことも含めて、この庭の大切な記録です。
アキレアとアリウム’レッドモヒカン’|9月の長雨の影響

水不足の前、9月には長雨が続きました。
その影響で、春の主役だったアリウム’レッドモヒカン’は、シードヘッドが残りませんでした。
アキレアも長雨のダメージを受け、厳しい状態になっています。
長雨のあとに水不足。
今年の秋は、植物にとって変化の大きい季節になりました。
それでも元気な植物たち
アガパンサス|夏に咲かなかった株から花が!

本来は夏に咲くはずのアガパンサス。
今年は夏に花が咲かなかった株がありました。
ところが、9月の雨で水をたっぷり吸収したことで、10月に何本か花を咲かせてくれました。
秋の庭に、白い花がすっと立ち上がる姿はとても印象的です。
セダム’マトロナ’|切り戻しから見事に回復

病気のために切り戻していたセダム’マトロナ’。
そこから15cmほど伸びて、きれいに成長していました。
肉厚な葉が重なり合い、つぼみもたくさんついています。
切り戻しの判断が、しっかり実を結んだ形です。
オミナエシ|水切れの中でもたくましく

秋の七草のひとつ、オミナエシ。
水が切れながらも、黄色い小花をたくましく咲かせています。
細い茎の先に広がる黄色い花が、秋の庭に明るさを添えてくれています。
ヘリオプシス|これからはシードヘッドを楽しむ

夏から長く咲き続けてくれたヘリオプシス。
10月に入り、花芽は少しずつ減ってきました。
ここからは花がらを切らずに、シードヘッドとして残していきます。
花が終わったあとの姿も、晩秋の庭の景色をつくってくれます。
来年の春へ|球根の新芽が出てきました
アリウム・コワニーの新芽

くるみの殻のあいだから、アリウム・コワニーの細長い新芽が伸びてきました。
ラナンキュラスの新芽

春に何度も花を咲かせてくれたラナンキュラスも、新しい葉を広げはじめています。
夏や秋の植物が終わりに向かう一方で、地面の下ではもう来年の春の準備が始まっています。
季節がひとめぐりして、庭がまた次のサイクルに入っていくのを感じる瞬間です。
庭に集まる生きものたち

今月の庭では、カマキリやバッタの姿をたくさん見かけました。

ちょうど繁殖の時期を迎えたカマキリやバッタが、この庭をすみかにしています。
植物が育ち、虫が集まり、生きものが暮らす場所になっていく。
かつてゴミの埋め立て地だった夢の島で、庭が小さな生態系をつくりはじめていることを感じます。
11月のファイナル審査に向けて

庭の看板にも、「10月 ラストスパート」の文字。
まもなく、庭はシードヘッドの季節を迎えます。
看板のQRコードからは、ぐりんぐりんの植物図鑑にアクセスできます。
会場で気になった植物があれば、ぜひチェックしてみてください。
11月6日(金)は、いよいよファイナル審査。
1年をかけて育ててきた庭も、最終審査を迎えます。
花が終わり、種が揺れる晩秋の庭。最後まで、この庭の姿を記録していきます。
まとめ

10月の夢の島の庭は、9月の長雨と、その後の水不足という厳しい環境の中にありました。
サポナリアやアキレアのように、うまくいかなかった植物もあります。
それでも、アガパンサスの思いがけない開花や、セダム’マトロナ’の回復、そして来年の春へとつながる球根の新芽。
庭は、変化を受け止めながら次の季節へ進んでいます。
次はいよいよ11月のファイナル審査。どんな表情を見せてくれるか、引き続き記録していきます 🌿
10月の主なポイント
- ✓ 10月の庭は全体的に水不足
- ✓ 上部が枯れたベロニカは、株元の新芽を残してカットバック
- ✓ サポナリアは水切れで枯れ、スベリヒユが大繁殖
- ✓ 9月の長雨で、アリウム’レッドモヒカン’のシードヘッドは残らず
- ✓ 夏に咲かなかったアガパンサスが10月に開花
- ✓ 切り戻したセダム’マトロナ’が15cmほど伸びて好調
- ✓ アリウムやラナンキュラスの球根から新芽
- ✓ 庭にはカマキリやバッタがすみつくように
審査日程
- ショーアップ審査:2026年4月8日(水)〜4月15日(水)
- サステナブル審査:2026年7月8日(水)〜7月15日(水)
- ファイナル審査:2026年11月6日(金)
第4回 東京パークガーデンアワードについて
ぐりんぐりんは、東京都・NHKが主催する「第4回 東京パークガーデンアワード」のファイナリストとして、夢の島公園で「Stewardship Garden: The Way」を管理しています。
庭の成長記録は、東京パークガーデン公式サイトやガーデンストーリーにて月1〜2回のペースで公開されています。ぜひあわせてご覧ください。

