「庭の土が固くなって植物が育たない」「肥料をたくさん買っているのにお金がかかる」「何年も土を入れ替えていない」と悩んでいませんか?
実は、庭の土づくりで最も重要なのは堆肥を入れることだけです。
冬の今こそ土づくりのチャンスで、堆肥を入れておけば肥料も土の入れ替えもいらなくなります。
この記事では、2月にやる庭の土づくりの方法を解説します。
堆肥の作り方、穴の掘り方、3層構造の積み方、発酵と腐敗の違いが分かります。
冬こそ土づくりのチャンス

植物が少ない時期だからこそ
冬は植物が少ない時期なので、庭の土づくりに最適です。
植物が少ないと「庭であまりやることがない」と思うかもしれませんが、実際にはやることが多くなります。
今こそ、普段は触れない地面をしっかり管理できる絶好のタイミングです。
2月がベストタイミング
特に2月は、春に向けて土の準備をする最適な時期です。
今のうちに堆肥を入れておけば、春に植物が元気に育ち始めます。
冬の間に微生物が働いて、土が豊かになるからです。
堆肥だけで土づくりは完成

堆肥を入れるだけでOK
庭の土づくりは、堆肥を入れるだけで完成します。
これだけやっておけば、赤玉土や肥料を買ってくる必要がありません。
夢のローコスト・ローメンテナンスが実現できます。
10年堆肥とは
10年堆肥とは、10年から15年かけて作られた堆肥のことです。
大きな山に、枝、根っこ、剪定ゴミなどを投入して、ショベルカーで混ぜながら、10年以上寝かせて作ります。
継ぎ足し、継ぎ足しで作るため、うなぎ屋の秘伝のタレのようなものです。
雨ざらしで、ほとんど放置していますが、それが良い堆肥を作る秘訣です。
地域性が大切
堆肥で最も大切なのは、地域性です。
その土地には、その土地の微生物や細菌の種類があります。
遠くの地域で作った堆肥を持ってきても、微生物同士が喧嘩してしまい、馴染むまでに時間がかかります。
できる限り、庭の近い場所で作った堆肥を使うことが大切です。
そのため、今回お勧めするのは、皆さんの庭の一部で堆肥を作ることです。
これが、最もローコストでローメンテナンスな、庭に小さな自然の循環を作る方法になります。
エネルギーの循環を作る
庭にペットを飼う
堆肥を入れる土づくりは、地面の中にペットを飼うようなものです。
ペットといっても、犬や猫ではありません。微生物と細菌を土の中に飼うのです。
犬や猫は吠えたり、匂いがあったり、トイレや散歩も必要ですが、その分可愛がったり癒しをくれます。
庭のペットである微生物・細菌は、トイレがそのまま肥料になり、吠えることも匂いもしません。
餌さえ与えておけば、それが植物の花や果実となって、私たちに恩恵を返してくれます。とても優秀なペットです。
自立型の土づくり
自立型の土づくりとは、エネルギーの循環ができている状態です。
植物のエネルギーを次に渡し、それがまた戻ってくる循環を作ります。
庭の雑草を根っこから抜いて、燃えるゴミの日に捨てていませんか?
枯れた植物や、収穫した野菜の茎はどうしていますか?
これらは全て、庭に返すべきエネルギーです。
雑草を抜きたいのは分かります。でも、抜いた分だけ土に返してあげることが大切です。
そうすることで、庭の中で小さな自然の循環が生まれます。
リンを返す

土の成分でよく言われるのが、リン酸です。
リン入りの肥料が売られているのを見たことがあると思います。
リンは根っこに蓄えられているため、樹木を抜いたり根を捨てたりすると、リンが足りなくなります。
細かい根はそのまま土に置いておき、大きな根は10年堆肥の場所に入れておけば、10年も経てば自然に帰ります。
こうしてエネルギーを循環させることが大切です。
準備:場所選びと材料
場所選び:デッドスペースでOK
堆肥作りは、植物がある花壇の真下でやる必要はありません。
庭のデッドスペース、例えば鉢置き場の下や、資材が置いてある場所の下など、土が剥き出しになっているところで十分です。
堆肥作りは表から見えないため、土を被せれば目立たず、植物から遠い場所に設置しても問題ありません。
必要な道具

道具は剣スコップ1本だけで十分です。
剣スコップとは、先が尖ったスコップのことです。
これ1本あれば、穴を掘って堆肥を作ることができます。
必要な材料
堆肥作りに必要な材料:
- 枯れ葉、雑草、生ゴミ(できるだけ細かくする)
- 良い堆肥(あれば)
- 鶏糞(100-200円、栄養価が高い)
- 発酵促進剤(米ぬか、ヨーグルト、納豆、調子のいい土)
鶏糞はホームセンターで1袋100〜200円で購入できます。
養鶏場があれば無料でもらえることもあります。若干匂いはしますが、とても貴重な資材です。
発酵を促進させるために、米ぬかや発酵液があればベストですが、なければヨーグルトを水に溶かしたり、納豆を入れたりします。
納豆のネバネバは納豆菌で、これも発酵を助けます。身近なものを使えば、コストを抑えられます。
粉砕器があると便利

枯れ枝や雑草を細かくする作業には、粉砕器があると便利です。
電気やエンジンで動くもので、安ければ1万円台で購入できます。
粉砕しておくと発酵が進みやすくなり、仕上がりも均一な堆肥になります。
大きいまま入れても問題ありませんが、分解に時間がかかりやすいため、できる限り細かくする方が安心です。
実践:3層構造で堆肥を作る

穴を掘る
まず、剣スコップで穴を掘ります。深さは25〜30cm程度、スコップの先端部分くらいです。もう少し深く広くできればベストですが、この深さでも十分です。
穴を掘る前に、ゴミ(ビニールや防草シートの切れ端など)は取り除いておきます。枯れ葉や雑草は後で一緒に入れるので、そのままでOKです。
3層構造で積む
堆肥は3層構造で作ります。
2. 堆肥を入れる(あれば)
3. 鶏糞を1〜2つかみ入れる
4. 発酵促進剤(ヨーグルト、納豆など)を入れる
5. その土地の土を軽くかける
6. 水をかける(米のとぎ汁、油かすも良い)
家庭で出た生ゴミ(細かく粉砕したもの)も入れることも可能です。
魚の骨などは後が残りやすいので、できる限り細かくしましょう。
3層できたら、上に土を被せましょう。
元々の地面と同じ高さになるまで土を被せれば、見分けがつかなくなります。
その土地の土を使う
できる限り、その土地の微生物を生かすため、掘った土をそのまま使います。
この土の中には何百億という微生物がいる可能性があり、この土の微生物は他の微生物とは種類が違います。
その庭だけの微生物を生かすことが大切です。
仕上げ:シートか種を蒔く
理想的には、雨除けシートを被せると良いです。
雨水が当たると、中の温度が低くなったり、栄養分が流れてしまいます。
また、発酵中に出る糸状菌は雨を嫌うため、雨が当たると発酵が止まってしまいます。
ただし、庭にシートを置くと見た目が良くないため、ディコンドラやクローバーなどの種を蒔いて発芽させる方法も一つの選択肢です。
こうすることで、余分な水分が下に入っていかず、微生物を守ることができます。また、庭の見た目も良くなります。
4ヶ月、6ヶ月経って、中の土が堆肥になったら、ここを掘って別のところに使いましょう。
その時、生えたディコンドラも中に入れて、また堆肥作りに役立てることができます。
注意点:発酵と腐敗の違い
発酵とは
発酵とは、微生物や細菌がうまく働いて、人間にとって良い状態になることです。
ヨーグルトや納豆など、発酵食品を思い浮かべてください。
これらは微生物がうまく働いて、人間が食べられる良い状態になっています。
腐敗とは
発酵の反対が腐敗です。
食べ物が賞味期限を過ぎてカビが生えたり、ドロドロの状態になったりするのが腐敗です。
これは人間にとって悪い状態で、食べることができません。
堆肥作りでも、うまく発酵させないと腐敗してしまいます。
うまく発酵した堆肥は、サラサラの乾いた砂のようになり、嫌な匂いがしません。
一方、腐敗した堆肥はドロドロの状態になり、液化が起こります。
発酵を成功させるポイント
発酵を成功させるポイント:
- 温度を一定に保つ(地面の中は地表より3度高い)
- 水分がある状態にする(米のとぎ汁、水をかける)
- 雨水を避ける(シートを被せるか、種を蒔く)
ヨーグルトを作る時と同じで、ある一定の温度でキープしていれば発酵が進みます。
温かい状態、水気がある状態であれば、うまく発酵することが多いです。
応用:プランターでも可能
10年前の土が今も使える

プランターでも同じ方法が使えます。
10年前に作った土が、1回も何もしていないのに、今も全然使える状態です。
うまく土を作れば、硬くなることはまずありません。
エネルギー自体はどんどんなくなってしまうため、定期的に堆肥を足す方が効果的です。
余った土を半分減らして、代わりに堆肥を入れたりすると良いでしょう。
堆肥だけで育つ
プランターであれば、堆肥だけでも育ちます。
堆肥に黒土、そして剪定ゴミや落ち葉、もしくは腐葉土を混ぜるのが最も効果的です。
ただし、市販されている腐葉土や堆肥は、必ずしも完全に完熟しているとは言えません。
完熟とは、しっかりと発酵されているということです。
発酵していない(腐敗している)ものを入れると、悪影響があります。
確証がなければ、自分で地面の中で堆肥を作った方が確実です。
まとめ:小さな自然の循環

庭の土づくりで最も大切なのは、堆肥を入れることです。
これだけやっておけば、肥料も土の入れ替えもいらなくなります。
土づくりのポイント
- ✓ 冬こそ土づくりのチャンス
- ✓ 堆肥だけで土づくりは完成
- ✓ 地域性が大切(その土地の微生物を活かす)
- ✓ デッドスペースで堆肥を作る
- ✓ 3層構造で積む
- ✓ 発酵と腐敗の違いを理解する
- ✓ プランターでも可能
庭に小さな自然を作る
庭に小さな自然の循環を作ることが、土づくりの目的です。
微生物というペットに餌を与えれば、それが植物の花や果実となって恩恵を返してくれます。
エネルギーの循環ができれば、自立した土ができ、ローコスト・ローメンテナンスの庭が実現します。
3箇所でローテーション
庭に3箇所くらい堆肥作りの場所を作れば、ローテーションで循環させることができます。
ある程度の広さの庭であれば、これで十分です。
お客さんの実例では、穴を掘っておいて、たまに落ち葉や枯れ葉を切り刻んで入れてもらい、年2回の管理時に堆肥や鶏糞などの仕上げ作業をしています。
こうしたやり方でも十分に機能します。
庭の土づくりは、意外と簡単に始められ、ローコストかつローメンテナンスで続けられる方法です。
ぜひ皆さんもやってみてください。
自然の循環を楽しむ庭づくり

土づくりのように、自然の循環を活かした庭づくりをすることで、植物が健康に育ち、手間もコストも抑えられます。
ぐりんぐりんは、東京都・NHKが主催する「東京パークガーデンアワード」に参加しています。
このコンテストは、宿根草をメインにした庭づくりを競うもので、結果は2026年11月に発表される予定です。
季節ごとの植物管理や、庭づくりのコツについては、東京パークガーデン公式サイトやガーデンストーリーにて月1〜2回のペースで記事が公開されています。
また、ぐりんぐりんのYouTubeチャンネルでも、土づくりや植物の管理方法を定期的に発信しています。ぜひあわせてチェックしてみてください。


