第79回池坊目黒教室!2年10カ月目『スイセンの伝花』歴史の美
魅力的な池坊の伝花『水仙の2株生け』洗練された美
■伝花とは
池坊のいけばなの中で
特に重要とされている”生け方”について
さまざまな約束事が決められている”花”があります
それを『伝花(でんか)』といいます
伝花の内容は『五ヶ條』と『七種傳』から構成され
簡単に言うと。。。
『五ヶ條(ごかじょう)』は松竹梅、桜、紅葉、三ヶ舟、実物・葉物・蔓物
『七種傳(ななしゅでん)』は芭蕉、蓮、水仙、おもと、椿一輪生、牡丹、あさがお、他に分けられます!
今回はその『七種傳』のうちのひとつ
”水仙の2株生け”に挑戦することになりました!
■水仙 2株生け
むかしは温室などなく、寒い時期には貴重な存在でした。日陰でも育つ水仙は”陰の花”とされながも、正月などのめでたい花として好まれてきました。水仙の特徴である優雅な香りと高い気品を生かし理想的な姿に組み替えて使用されます。
とくに”組み替えて”っていうところが難しくもあり
今回の生けるポイントとなるのです!
■横田がいけた”水仙”
生徒である私、造園会社ぐりんぐりん横田がいけた水仙です
割と凛々しく入っているようですが。。。先生!?
とは言っても写真でみると、良くないなって今更思ってしまった
先生曰く
・葉っぱは縦のカミソリ葉になってはいけない(葉っぱは縦じゃなく、面を見せる)
・そろったセットの葉っぱがバラけている(つかず離れつが良い)
・葉っぱの高さの割合が良くない(だいたいで寸法と割数が決まっている)
・体の開きが悪い(葉っぱは時計方向にねじれているが、反対方向に扇状に開く)
・白根の高さがばらけている(おおよその長さと割合が決まっている)
・などなど他、いっぱい省略!
じゃ先生が生けたらどうなのよ?
■先生の水仙2株生け
おう!
さすがとしか言いようがありせん!
さすが東京支部部長!、マイティーチャー!
葉っぱの方向性がバラバラだったのが
見事にまとまりつつも成長の広がりが見えてます!
とくに葉っぱのねじれについては気を付けるように
教えていただきました
結局のところ、それがけで見栄えが違うのです!
左が私がいけた水仙です
右が先生が生けた水仙ですが!
圧倒的に違うのは白根の上あたり
根元近くが全く違いますね!
当然ですが基礎が違うと上の葉っぱの先まで
違いは響いてくるのです!
今回、もっとも美しいと思ったのは
横から見た”姿勢”です
ちょっと前に反った全体と
前に突き出た”体”の部分の関係と角度が最高ですね!
こういった少しの”差”、その”美意識”こそ
長い歴史の中で淘汰されてきて、その時代で磨かれてきた”美しさ”なのです!
またすぐに2回目の練習がありますので
今度こそって、いつも思うわけなんですがね!
我が3年の歴史の中で培ってきた”美意識”をご披露したいです!