残暑が厳しい中、四季咲きの薔薇は最後の力を振り絞って花を咲かせる準備をします。なので、春の1発目に咲く花よりも、花数やボリュームが減ってしまうことは、仕方が無いですね。
せっかく四季咲きの薔薇が植えられているから、花を咲かせたい!という気持ちがあります。ですが、薔薇の葉が黄色くなっていたり、明らかに葉の量が少ないなどの症状が見られたら、無理やり肥料をあげて、花を咲かせるのではなく来年のために温存してあげましょう。
ぐりんぐりんでは、そんな症状が出ている薔薇たちは、花の芽を取って肥料を与えません。なぜなら、秋にどれだけ健康な薔薇を維持できるかで来年の薔薇の咲き方が変わってくるからです。
疲れているときには、休憩を!人間と同じように育てていくことが、長く楽しむポイントです!
今回、9月の薔薇の管理。個人邸のお庭に行ってみると、去年よりも蕾が沢山!夏バテをしている薔薇が去年より少ない様子。
でも、よく見ると、、、
つる薔薇が枯れている
葉っぱ全体がパサパサ、水気が全くありません。地面は、濡れている様子なのに、、新芽も全く見当たらない様子です。こんなときは、地面の株元を見てみましょう。
周りの黒い土よりも、明らかに茶色っぽい木くずを発見しました。カミキリムシが入ってしまい、株が弱っている状態。さあ、対処していきましょう。
カミキリムシ被害の対処方法
まずは、木くずを取って地面を綺麗にしていきましょう。
2㎜程度の穴が見つかれば、そこに殺虫をしていきます。できれば、針金や爪楊枝を差し込みそこに殺虫剤を入れてあげるのが効果的です。穴に差し込む理由は、穴の先が産卵場所で、直接殺虫を入れ込みたいからです。
あとは、地面と株全体にも散布を忘れずに。ぐりんぐりんでは、オルトランやスミチオンを散布しています。
最後に、葉っぱの量を減らします。といっても、今回9割くらいの葉が枯れている状態だったので、ほとんどの葉をむしり取ります。
今弱っている株が根から水分を吸収できる量=水分を吸収できる葉の量としてあげます。そうすることで、葉が多すぎて、分散していた水分量が、集中的に限られた葉に水分が行き渡ります。
活力剤を持っている方は、あげても良いですね。ただし、肥料は、NG!
カミキリムシが羽化をして成虫になるまで、株の中を広範囲で捕食します。そうなった場合、枝がカラカラになり、揺するととても軽いです。その枝は、おそらく葉や新芽が出てこないので剪定してあげます。
その分、まだ生き残った枝を上手く誘引して、成長を促しましょう。
花が咲いても、要注意
色んな色の薔薇が、綺麗に咲いてますね。たくさんの鉢植えがあるのにもかかわらず、毎日丁寧に水やりと肥料を与えてくれました。
さあ、薔薇の状態を見ていきましょう。
黒点病の薔薇とそうでは無い薔薇の管理方法
花は咲いていても左の薔薇と右の薔薇とでは、管理方法も変わります。
この時期は、気温も猛暑のときと比べると、かなり過ごしやすくなりましたよね。気温が下がってくると、菌もやってきます。株元から黒の点々が現れてくるので、株元からの観察をしてみましょう。
もしも、黒の点々を発見したら、その葉は取りましょう。株全体が、黒点病になってしまったものは、葉を全て取ります。それでも、新芽や上の方の葉は、まだ綺麗なことが多いので光合成が出来るよう残します。
また、葉が0になると、株が成長をしなくなるので、ほんの少し状態が悪い葉なら残すこともあります。最後に、地面と株に殺菌を散布を忘れずに。
このとき、カイガラムシのときと同様に、肥料はあげません。弱っているので活力剤や堆肥をあげましょう。
右の写真のように、葉が沢山あり緑色の綺麗な薔薇は、肥料をあげて殺菌散布です。周りに黒点病の症状がある薔薇があるなら、尚更散布必須です。
最後に
猛暑を乗り越えた薔薇は、とても弱っていることが多いです。そのため、普段の健康なときよりも病気になりがちです。そんな薔薇を労わってあげましょう。
秋の薔薇は、花を咲かせることよりも葉を残すことが大事です。多少の病気にかかることは、良しとして、落葉の時期に入るまでに、葉っぱが0になることを防ぎましょう。
葉が生い茂った状態で冬に入れば120点!ですが、ほとんどの薔薇が、弱っています。この1年、薔薇は、たくさんの花を咲かせて、苦手な猛暑にも耐えたわけですから弱るのは当たり前なんです。
少し弱っても動じない!花は来年に取っておきましょう!