どのご自宅にもある砂利の小道。皆さんのお家にもありますか?『犬走り』とも言います。日本独特の住宅構造の用語で、『建物の外壁と敷地境界の間の細い通路。通気や雨はね防止、点検などのために設けられるスペース』です。
今回、このスペースを可愛くお庭に通ずる道として楽しみたい!お子さんもいて砂利道が歩きづらい、ただの道からお庭としても利用できる充実した場所にしたというご要望を元に、ご依頼を頂きました。
お家の色や、元々あった倉庫・お庭のシックな風景に馴染むようにと、アンティークレンガを選択しました。また、レンガが設置されていない場所には、植物も植えました。
お家の規定があり、セメント・モルタルを使用してはいけません。そのため、セメント無しでレンガを設置する方法で小道をつくります。
こちらの記事はぐりんぐりんのYouTubeにも詳しく投稿されています。是非ごらんください。
手順
- 砂利をどける
- レンガの仮置き
- 防草シートを切る
- 土をどかす
- アンティークレンガを設置
- 植物の植え込み
必要な道具

- カッター、ハサミ:防草シートを切るために使います
- ゴムハンマー:レンガ設置の際に、叩いて高さや傾きを調整します
- えんぴつ:レンガ周りの線をなぞります
- かなづち:防草シートのピンを打ちます

- 水平器:レンガ設置の際に、傾きを見る道具です
- 水糸:全体の高さを調節するために、手軽で扱いやすい道具です
- レーザー墨出し器:水糸よりも、より詳しく高さ調整が出来る機材です
砂利をどける~レンガの仮置きまで

砂利は、大体5~6㎝くらい入っています。砂利の保管場所を確保で来るように、3分の1程度をきれいに取ります。そして、その取った砂利は、レンガを敷く分は不要になるので、別の通路にでも混ぜます。現在レンガを設置している場所が終わった後に、取り除いた砂利を入れれば元通りです。
砂利は、近くにどけて戻す流れです。
砂利を綺麗に取り除いた後は、レンガを防草シートの上に仮置きします。全体を置いてみないと、後でレンガとの間隔が狭かったり広くなったりしてしまうので、かなり大事な工程です。
自分の置きたいレンガの敷き方をあらかじめスケッチしておくとスムーズに作業が進みます!
防草シートを切る~レンガの設置まで

レンガの仮置きが出来た後は、鉛筆でレンガの周りをなぞります。ハッキリと墨を残しましょう。仮置きしたレンガの線が引いた後は、カッターで土ごと切っていきます。
強く地面に押し込むように切り込んでいきます。石はなるべく切らないように注意します。根っこが出てくることがあるので、こちらは剪定ばさみで切りましょう。
カッターで切りにくいときは、最初に切れ込みだけ入れて、後はハサミで切ったりします。
出来上がりの防草効果を高めるため、先ほど鉛筆で印を付けた線より大体3㎝ほど内で切っていきます。レンガを置いた際に、防草シートが3㎝分立ち上がり、そこから雑草が出てくるのを軽減します。

レンガを置いた際の様子です。3㎝程内で切るのは、このためです。レンガサイズにカッター切ると、どうしてもレンガと防草シートの隙間をピッタリで切ることは難しく、隙間が出来ます。隙間が出来ると、いくら砂利が入っても時間が経過するにつれて、雑草が生えやすくなります。
少しの手間が、後々の雑草抜きの時間を減らしてくれます。

カッター・はさみで防草シートを切った後は、土を3㎝程掘ります。そして、掘った分3㎝程の砂を敷き平らに整えます。
砂を敷く理由は、砂は粒子が小さくて丸く、粒径がほぼそろっています。これは、転がりやすく、ちょっとならすだけで自然に整います。しかし土の場合は、不揃いでゴロゴロした粒や粘土質が混じっていますね。直でレンガを置くと表面ががたつきやすく、平らにしにくいのです。
園芸店やホームセンターに、川砂やセメント用の砂、山砂などと記載されて売られています。そちらで十分役目が果たせます。

レンガの高さ調整と傾きを整えます。ここで、必要な道具は、水平器や水糸。そしてより精密性の高いレーザー墨出し器です。私達は、レーザー墨出し器でしっかり高さを調節して設置します。そこまで、精密にこだわらなければ、水平器や水糸のみで構いません。
高さが揃っておらず、凸凹しているときは、ゴムハンマーで叩き調整しましょう。レンガを置いて終わりではなく、最後はハンマーで叩き砂に食い込ませて固定します。

レンガの傾きや高さの調節が出来た後は、防草シート用のピンで固定です。今回は、U字ピンを使いました。全部差し込まないで2㎝程度残した状態で打ち込みます。するとレンガもより固定されます。
プラスチックピンでも可能ですので、お子さんと設置する場合はコチラの方が安心です。
YouTubeにて、雑草対策:防草シートやピンについて詳しく投稿されています。気になる方は、どうぞご参考にしてください。
ピンでしっかり固定出来たら、取り除いた砂利を戻していきます。やはりセメント無しの場合年々がたついてきます。それを軽減するための最後のワンポイントがあります。
それは、砂をレンガの隙間に入れ込む作業です。土では、レンガを砂で固定したときと同様に固定されないので、砂や珪砂、山砂などを透き込み、摩擦で固定します。

砂利を戻す前でも、戻した後にでもどちらでも構いません。
植栽~完成

レンガの小道を左右に揺らぐように設置し、広く空いたスペースに植栽をしました。お客さまの好きな植物も入った日陰の耐性がある植物です。
植物を入れるタイミングは、レンガの設置が出来て、砂利を敷く前の防草シートがむき出しになった状態のときです。
こちらも、カッターやハサミで植物の苗が入る分を切り取り、土を取って苗を入れます。
最後に
いかがでしたでしょうか。セメントやモルタルが使えない規定のお庭は、たくさんあります。そんなお庭にもかわいく簡単にレンガ舗装は出来ます。
また、味気ない細い砂利の通路だった場所が、楽しいお庭に通ずる道へ変貌しました。ただの道がお庭になった瞬間ですね。
これから、お庭に行くたびに、このレンガの道をあるくのが楽しくなります。前の暮らしより施工後の暮らしの方が豊かになるということです。
皆さんも是非、犬走・細い道を楽しい道にしてみてはいかがでしょうか。毎日の生活がより一層豊かになる事間違いありません。
お客様からのご意見!インタビュー案件★
レンガの小道を作らせていただきたお客様から、直々にご意見やご感想を、お伺いすることが出来ました。ぐりんぐりんを選んでくれた理由や私達造園や土木の第一印象などなど貴重なお話を聞くことが出来ました。是非ご覧くださいませ。
インスタグラムやホームページを拝見していただきホームページにある『自然をデザインする~』というフレーズが刺さりご連絡をくださいました。
ご提案した内容もしっくり来て、予算内だったことが決め手!
はじめてお庭づくりをお願いするとご依頼いただくこともあり『大体の相場が分からず、、』というお声をよく聞きます。その中で、お客様のご要望と予算感のすり合わせも大事にしています。
施工前と比べて、お庭を作ってからの変化は、庭が充実していくにつれて、これからの暮らしが豊かになる。『庭で何をしようかという期待、庭で過ごしたくなる』と庭の重要性をお話していただきました。
本当にありがとうございました。一層お客様のお庭での暮らし、日々の生活が豊かになるよう努めたいと再認識できました。



