三世代で楽しむ庭づくり!花壇と植物と家族と|将来の夢は庭屋さん

世田谷区の主要な道路のすぐ近く、先代から受け継がれる土地と庭。新しい時代の三世代で”心豊かに暮らす庭づくり”を実現しました。

 

忙しい日々を簡素に暮らし、それでも植物や樹木の恵みを享受できることが喜びであり、家族の楽しみだというご希望。果実とハーブ、そして小さな畑と大きな花壇、それは家族の暮らしと密着した庭づくり。季節を感じて身近な自然を存分に経験できる”体験型の庭”。

 

庭づくり中、子供たちは自分だけの鉢植えをつくり、植物を植えて、実際に収穫までやってみる。そんな体験が出来るもの、私たち”ぐりんぐりん”の強み。『将来の夢は庭屋さん』と言う子供たちと三世代の家族の暮らしは、心豊かに笑顔溢れる庭と共にあるでしょう。

 

●DESIGN:ぐりんぐりん
●WORK:ぐりんぐりん、睦工業、加藤工業
●PLACE:世田谷区
●SPAN:3週間
●BUDGET:470万円(解体含む)

大きな花壇と小さな畑を要したこの世田谷区の庭づくりは、『子供のための庭づくり』を実践している、私たち”ぐりんぐりん”の考え方に共感してくださったご家族です。『子供のため』とは良き経験、体験を意味しています。庭を作るところから、庭から得られる数々の自然の恵みや喜び、新しい発見と驚き、そして感動!それが僕たち”ぐりんぐりん”が考える『子供のための庭づくり』です。

自分でつくった鉢植えにイチゴの苗を植える子供

先祖代々、受け継がれてきた土地に三世代で新しい暮らしを始めるタイミングでした。たくさん植えられた樹木たちはその存在感を発揮し、お庭は暗く、使い勝手が悪い場所になり、管理が大変でご苦労もされてきました。住宅を改築し庭を改修して、若い家族が加わり新しい三世代の時代が始まります。

【施工前】

使い勝手が悪くなり改修を行う世田谷区の庭

画像をご覧いただければお分かりになると思いますが、庭にあるのは通路と入ることのできない植栽帯。これは家族の暮らしや遊びと分断されやすいカタチです、昔の日本のお庭はこのタイプが多かったです。実際に有名な和庭園においても”観るための庭”がほとんどです。それぞれの樹木や植物はしっかり年二回のメンテナンスが行われていますが、大量のツバキなど枝同士が重なり合い、虫や病気の温床となっています。狭い空間に大量の樹木などを植えるのも、かつての日本のお庭の特性と言えます。

一世代前の和庭園の解体前の様子

敷地に段差も出来ており、繰り返しお庭の改修を行った様子も感じられます。しかし、時代は本物の資材を使う世代、この画像に見られる飛び石や土留めの自然石はしっかりしたモノ、再びその大切な資材に”必要な使い道”を持たせ、『再生』の庭づくりも行います。

お庭として活用方法が少ない北側の通路

住宅や土地の構造上、西側や北側は通路であり使い勝手が良く無い場所です。そういった場所も予算を考えて手を入れて、管理コストも考えた庭づくりを行います。当然ですが安全性や利便性も考えて最善のプランを考えるのが、僕たちの仕事でもあります。

【施工後】

お住まいのご希望を全てかなえた子供のための庭づくり

お施主さまのご希望は多岐に渡ります。大切なのは日々の暮らしを豊かにすること、それは実用的であり、しっかり狙いを持ったエリアづくりにすること。アクセスや管理、人の流動性、時間や季節、環境による変化への対処など考慮するべき項目は多いのです。その上で全体のデザインが決定され植物を選び配置していく。さらにはランニングコストや管理、それも生活と密着した条件として考えなくてはいけません。

・子供のためである
・花や植物を楽しむ、観るための花壇
・野菜を育てて収穫するための花壇
・実用的な自転車置き場
・ローメンテナンス
・楽しいモダンな植物
・果実とハーブ
・外水道と排水
などなどご希望は尽きない。

実用的な自転車置き場はアルミを使って長年使えるようにする

実用的とは無理がない使い方が出来るということ、ローメンテや修繕の有無は確認しておくべきこと。自然素材を使った自転車置き場はメンテが必要になります。今回の場合は、他にたくさんメンテナンスをする場所があるので、自転車置き場は地面にコンクリートを使って使いやすいように徹底した。

6台分の自転車が置けるサイズで、サイドパネルも設置することで雨風に強くなります。半透明のパネルは空間を遮ることなく、広く感じさせるのでオススメです。

奥行きと高低差があるレンガ花壇

レンガ花壇は高低差や奥行きを持たせ、リビングから観て楽しめるようしました。花と彩りを楽しめ、季節感も感じる植物を植えることで、お庭は華やかで楽しい空間に変わります。

花壇のひとつのポイントとして”高さ”があります。一番高い部分で60cmぐらいの高さがあるので、植物いじりするにもしゃがむことなく、花壇の縁に座ることも出来るようになっています。

2色のレンガを縦使いすることでサイズに負けない安定感と存在感がある花壇になる

またサイズが大きい花壇で注意したいのが、レンガの使い方です。通常はレンガを横向きに使うことが多いのですが、サイズや高さに合わせてレンガを縦使いにしました。また2種類の色を使いことで一辺倒でハッキリしない印象になりがちなレンガ花壇に、オシャレはもちろんメリハリと見た目にインパクトも与えてくれます。

レンガの特性は使いやすくバリエーションがあるのと適度な排水が出来るので植物にも最適

レンガ花壇の特性は、色んな色合いのレンガとサイズがあるのと、適度な排水が出来るので植物にとっても良い土壌環境を作れることにあります。お庭のアクセントとして最高の花壇としてレンガの花壇は欲しいところです。

雑草対策として砂利と大き目の岩を上手に使うことでお庭にアクセントを

大きなポイントとして”砂利敷き”があります。これはやはり今後の管理を考えた”ローメンテ”のためです。

のっぺりとなりがちな雑草対策としての砂利敷きにも良いアクセントでロックガーデン風にする楽しさがある庭づくり

ただ砂利を敷くだけでは面白味もなく、地味に一辺倒になりがちです、そこでお庭として楽しむために”ロックガーデン風”に自然石を配置してみました。おかげで植物がより一層、見た目に映えるようになり、お住まいのご家族や訪れる方々を楽しませてくれます。

鉢植えをつくり植物を植える体験をする子供

一緒にお庭づくりを見守ってくれた息子さんには、良き体験として『鉢植えづくり、イチゴの植栽』を経験してもらいました。少しでも参加してもらうことで、お庭に興味を持ってもらって、色んな発見をしてもらうことを僕たちは大切にしています。結果、彼の将来の夢は『パン屋さんか、庭師さん』になるそうです。

鳥が飛んでくる小さな大自然がある庭づくりを提案する造園会社ぐりんぐりん

私たちはお庭を小さな大自然だと考えています、”自然をデザインする”をテーマに庭づくりを展開しています。子供たちは自然の中でたくさんの驚きや発見に遭遇し体験する、観察するチカラはその後の全ての活動に役に立つと思います。お庭には果実やハーブで溢れ、皆さんの食卓に自然の恵みが並ぶ、そんな心豊かな暮らしを応援しています。