以前、広島で一度建築された時と同じ建築家さんに依頼し、東京の武蔵野市で建てた新築住宅。優れた建築家さんの意匠を感じる植栽帯に、どんな植栽が良いのか私たちにご相談を頂きました。
私たちを選んでくださったポイントは”面白そう”。グラフィックデザイナーとアパレル関係のご夫婦から、ワクワクに満ちた対面のあと、ご提案したのは”回遊”というテーマの植栽。
室内からも観て季節感を楽しめる、まるで自然の床の間のような植栽。枯れては新緑の生命力を十二分に感じられる、そんな植栽を実現しました。
お施主さんとは今日もお付き合いが続いております。関係を越えた人と人のつながり、それは建築家さんの意匠であり考えである”内と外とのつながり”。すべての人の生活や人生の豊かさを考えた、最小であり最高の実例となりました。
◆予算:20万円
◆施工期間:1日間
建築家の皆さんはとても知識があり、若いときから学びを続け第一線で活躍されている方が多いですね。
その中でも住宅だけではなく、植栽や外構に関しても同様に住宅のデザインとして、取り組まれている方々もいらっしゃいます。
今回の武蔵野市の新築住宅をデザインされた建築家さんは、まさに植物の”在り方”までお考えになってくださっていたと感じました。
植栽前
ぜひ植えてくださいって言わんばかりの位置に砂利が敷いてあります。伺えば、お住まいの方々は以前も同じ建築家さんに住宅を建ててもらったコトがある。
つまり今回の武蔵野市の住宅は2回目、やはり以前も植物の在り方なども気に入ったポイントらしいです。
建築家さんは広島の方、建てたい住宅のイメージをハッキリ持ってらっしゃる方らしい。一軒目の住宅は広島にあり、今はその建築家さんご自身で事務所兼ご自宅で使われているということです。理想的な住宅だという証しですね!
画像で拝見しましたが、自然素材を十分に使い、優しいほわっとした灯りが深めの色合いの外観にとっても似合うような、素敵な住宅でした。
植栽後
そのまま素直に植物を入れてみました、という感じで建築家さんの意匠をお察しして完成です。
この植栽を担当した横田は生け花の池坊を経験しています、その植栽美を活かし『床の間に花を飾る』という見立てにしました。
テーマは『回遊』:万物の輪廻と植物の再生、回遊庭園を掛け合わせ、池坊の教えを実際に表現する。全ては落葉しその移ろいや姿を季節に合わせ感じる、また春に発芽し植物の生命力と私たち人間の輪廻を体感する
- 樹木:ジューンベリー
- 低木:ドウダンツツジ
- 植物:ギボウシ、イトススキ、シモツケ
どれも新緑の緑が美しいばかりではなく、秋の紅葉から冬の枯れ姿まで楽しめる、今回のテーマにふさわしい植物たち。見て楽しむ植物とは日本の四季を感じられて、果実を味わい、鳥のさえずりを聴き、生命力を体感する。それが私たちぐりんぐりんが提案する”植物のチカラ”
玄関を出てすぐ道路に向かって、急な水勾配がついたコンクリートの玄関アプローチです。目隠しと外と内のつながりを考えて鉢植えを設置、鉢植えを水平にするために材木を使って調整。材木はハードウッドのセランガンバツを使っているので15年~20年は腐食しない。
樹木はメラレウカ・カッパーグロウ、人気のメラレウカで銅色の葉っぱが落ち着きを感じさせます。初夏にウメのような小さな白い花を咲かせるいつも楽しい樹木、オススメの一本です。
良い建築家は家の機能や内装の事だけではなく、外とのつながりを十分に考えてくれています。それはそこに住み生活する、皆さんの毎日の”心の豊かさ”を尊重した設計。そこに関われた今回の事例は皆さんにとって良き参考になることと思います。