家族に新しい命を授かった、生活スタイルが変化して部屋の模様替えを行って、そして次にテラスをその子供が安心して遊べる空間へ変えたい、そんな親心から新しいテラスガーデンへ作り変えることになりました。
環境は四方壁に囲われた地下のタイルのスペース、ただ真っ白なお部屋や壁は光を反射し、輝くほどに明るいという珍しい場所でした。でも日陰で風通しは少ない、そしてご希望は”季節で花を楽しめる環境”へという事でした。センスある最先端のモノづくりを行っている施工主さんの理想へ近づくため、何度かデザインを修正しながら完工へたどり着きました。
お子さんの誕生から成長、そして将来の旅立ちに至るまでお庭は変化していって良い。そういった施工主さんのお庭に対する考え方は、都心にお住まいだが自然を愛する我々と同じだと感じる出会いとなりまいした。家族の在り方が変わって、お庭が変わっていく、それは皆さんの生活や人生を豊かにしてくれる、これからの考え方に他なりません。
◆予算:148万円
◆施工期間:1週間
大きな人生の変化に、家族に新しい命を授かるという事があるかもしれません。子供が出来たりペットを飼うなどしたら、今までの生活スタイルはガラリと変わります。
お部屋の家具やレイアウトも、より安全に遊べるように変えていく必要があると思います。それはお庭も同じで子供たちにとって、安全に自由に遊べる空間だったらどうでしょう?
まだ子供が小さいときは何かあったときに、すぐ部屋に入れたり移動する手間がなく遊べますね!小さなお子さんにとってどこに行くかはさておき、どんだけ楽しかったか!ってことが大切だったりしますよね。
【デザイン】
初期のデザイン画です、基本的には変わってないのですが、初めは奥の背の高い樹木は”月桂樹のトピアリー”で考えていたのですが、農家さんのところに在庫がなく、今のランダムでいろんな樹木を植えこむスタイルへ変えました。
以前の月桂樹の場合はもっとストレートでシンプル、スッキリとしたモダンな感じになりますが、色んな樹木を使うことはよりナチュラルなイメージになります。そして何より様々な花を季節で楽しめるようになりました。
部屋側には既存で数個ある鉢植えを整理して、レモンの木の鉢植えは太陽を求めて、鉢植えごと移動できるキャスターに乗せることにしました。部屋に近いところに植物があって、テラスの奥側の壁側に緑があるのは、部屋のソファーから見ると緑豊かな空間と見える仕掛けになっています。
【テラスガーデン】
このテラスガーデンは親が子を思う心より誕生しました。場所は地下であり日陰で風通しも少ない。それでも眩しいほど輝くスペースとなったことは間違いありません。皆さんの良き事例としてご紹介します。
このマンションのテラスは地下にあります、つまり完全に四方が高い壁に囲まれた日陰で風通しも少ない環境だという事です。多くの方がこんな環境で植物を楽しめるのかなって思われるでしょう。
壁は3m以上あり太陽が見えるのも季節によっては難しい、ただ壁が白っぽいので反射でテラスは明るく、快さも感じるほど素敵な場所です。さらに清潔感もあって好印象の場所です、この場所を選ばれた理由も分かります。
地面はもちろんすべてタイルです、土面は全く見えません。樹木と植物はすべて鉢植えに植えこんで設置しています。白く塗装された材木をパネルにして、黒い鉢植えをすべて隠しています。
壁に近い奥側は背が高いパネルを使って、大きな樹木を鉢植えに植えこんで設置しています。それぞれ樹高が違う樹木を並べることで動きや幅の広さを演出出来ます。
そして手前には連続してアナベルを植えこんでいます。こちらも鉢植えに入れて出来るだけ土壌の量を確保して設置しています。手前は同じ植物、アナベルを連続して設置することでシンプルさと、6月の花の時期は最高の見栄えを演出してくれます。
水やりは”自動潅水装置”を設置しています。あくまで補助散水ですが、忙しい皆さんにとって自動は本当に役に立つことでしょう。大切なのは水量はそのままで季節で水をやる回数を変更しましょう。
両サイドには花を楽しめる”植物スポット”を設置しました。様々な季節に色んな花が咲き、触って楽しめる場所です。ここは頻繁に植え替えて植物を楽しめる、通年、華やかな場所になっていくことでしょう。
この場所もパネルを設置してプランターに植栽しています。見えないところですがパネルと同じ材木で底上げをして、プランターの水はけを確保、蚊が発生しないなど環境づくりにも対策をしています。
このパネルは腐食しない自由度の高い材木を使っています、それはエコアコールウッド。基本的な材質は杉やヒノキという一般的で安価で柔らかいソフトウッドです。柔らかいから加工性が良く手に入りやすいという利点があります。
その材木に環境に配慮した薬剤を浸透させて、雨など水の侵入に強い材木にしています。このエコアコールウッドは世界遺産、厳島神社の有名な海に立っている鳥居に採用されています。海につかっているのに20年以上変化していないという報告があります。
テラスと住宅の雰囲気に合わせてホワイトに塗装して、さらに耐久性をアップさせています。また材木自体が軽いのでパネルを動かして掃除をするなど、とっても実用性があるのが大きな利点です。
【レモンの木】
鉢植えに植えられた樹木は”レモンの木”です。レモンは種から芽生えて3年間は実が付きにくいと言われていますが、販売されているレモンの木のほとんどが3年以上たっているものです。ですので小さいなって思うようなレモンの苗木でも実が付くことが多いです。あの形の実が成っているのは本当に楽しくなります、オススメです。
【半年後】
その後の様子ですが、西洋シャクナゲが満開に咲き誇った4月の様子です。他の植物たちも新芽が鮮やかで、他の花もちらほらと見えますね。いろんな植物が植えられていると、季節の中でいつも何かしら花が楽しめるという、素敵な環境づくりが出来ます。
【庭づくりの前】
施工前の様子ですが、日光を求めて樹木のヤマボウシが徒長しているのが、ハッキリ分かりますね。それでもすべての植物が頑張って生きているので、施工主さんの管理が良かったようです。
新しい家族の誕生で、新しい環境づくりを実現され、新しい生活スタイルを楽しめるのは、人生を豊かにしてくれます。たとえ地面や広い庭が無くてもそれは実現できることを教えてくれる、素敵なテラスガーデンの庭づくりとなりました。