第72回池坊目黒教室!2年6カ月『クレマチスの3種生け』
一カ月に二回、池坊目黒教室に通って早くも2年と6カ月。
今だ一向に上手になる気配がなく、手直しの厳しいお言葉をいただく修行の身です。
でも今の私の位は”師範”、池坊教室を開くことができる状態です。
(いったいこの名前に価値はあるのか…)
今日は”初夏の花材”をつかって”生花”を行いました!
生花に関する詳しい説明は⇒いけばなの根源『池坊』生花とは?
■花材紹介
クレマチス
今や切り花として多く流通しているクレマチスです。
実はとても多くの品種や花色、形があるってご存知でしたか?
庭づくりの時にも、良くお客さんからご要望をいただくのがクレマチスです。
とくにパーゴラなどを施工したときに、バラとクレマチスのセットは欠かせない状況となっています!
茎が本当に繊細で、すぐにボキボキ折れてしまうので
取り扱いには注意が必要です!
ヒペリカム
ぷりぷりの”実”がいっぱいついた”ヒペリカム”です。
こちらも切り花としてかなり活用されています。
新緑の葉っぱはとても綺麗ですし、葉の付き方も個性的で素敵ですね!
前回のキンシバイとは仲間で良く一緒に扱われることがあります。
ヒペリカムはつぼみ、花、実どれをとってもカワイイので花生けにはオススメです。
オクロレウカ
こちらは水生植物の一種、オクロレウカの細葉です。
アヤメの仲間で水辺に群生して育つそうです。
今回は特にですが細めの葉っぱがイイですね!
そしてこういった葉っぱにありがちな”裏表”がありますのでお気を付けを!
ちなみにクレマチスの品種で”オクロレウカ”がありますが
全く違うものですのでご注意ください。
■”師範”である、横田の生け花
クレマチスの茎がほっそいので剣山に上手く刺さらないのですよ。
クルクル動いちゃって凄い時間かかりました…。
まぁ案の定ですが『クレマチスの向きが良くない』とのお言葉をいただきました。
いや、でもクレマチスの差した位置からすると、こういった感じに仕上がると思うんだけどなぁ…
確かにちょっと下向いていますよ!
でもその位置からだとこの向きだし、顔は上がらないしなぁ
奥ゆかしき”わびさび”ってことでいいんじゃないの?
先生から、ありがたい”お言葉”
- クレマチスの花の位置、高さが良くない
- 高さはまぁまぁ体が大きいあなたにしてはいいわ
- ヒペリカムは最悪ね
- ”体”としてのヒペリカムは”副”とバランスをとって
- ”体”はもっと陰方に出しなさい
- ”体”が低いのよ
- ”真”にたいしてどうゆう割合なのよ
- もっとためるとか技術を使いなさいよ
- 体のわりに繊細なのね
- オクロレウカの”副”は良くないけどこれ以上いじりたくないわ
- 葉っぱが細いからもっと長くて良かったじゃない
- オクロレウカの葉っぱはちゃんと組みなさい
- オクロレウカの葉っぱの向きをちゃんと見なさい
- オクロレウカの葉っぱの色をちゃんと考えなさい
- お茶を入れてくるから直しといて
- …
■お言葉に従った、横田の二度目の花
まぁ、良くなりましたよね。
まぁまぁね。
どうにも納得のならない先生のお手が入ります。
■”東京支部長”であらせられる、先生の手直し
先生が花に触ると、そっちに向かなった方向に向くんですよね。
これ以上触ると折れるっていう私の限界を超えて、枝が曲がるんですよ。
クレマチスの首も上がるんですよ。
ちなみに先生は花を触って50年
私、3年未満
こんなに違うかっていう感じは毎回受けますよね。
そういった歴史があるのが池坊の良さですね。
■まとめ
池坊の生け花や日本庭園には決まった基礎、基礎的なカタチが存在します。
それははるか長い歴史、時間によって研磨された鋭い美意識なのです。
それは私たち日本人のDNAに脈々と流れているのです。
いずれ、そのカタチから飛び出すことが出来る
それが新しい、今という現代の美意識の領域なのですね。
私たち”ぐりんぐりん”では歴史の中の美意識を学ぶことで
常に先の新しい時代の美意識を創造しています。
皆さんのお庭づくりに、少しでも役に立つことを信じて。