季節は秋に向かう気配を感じる毎日ですが
池坊の花材は最後の夏を満喫といった感じです
前回も同じ花材にチャレンジしましたが
今回も”ひまわり・フトイ・レモンリーフ”を使います
自由花でいけます
ポイントは”フトイ”の使い方
フトイで骨格を築き、ひまわりを中心に、レモンリーフで〆る
これは週末に”池坊東京会館”で行われる研究会に向けての稽古です
研究会は月に一度、支部の皆さんが集まり学びを深める会です
成績やお免状をいただくための会でもあります
花材
ヒマワリ

夏の代表の花と言っていいでしょう!
公園などでよく見かけます
都内では画像にあるような”ミニひまわり”が多いですね
フトイ

水辺付近に生息するフトイ
先端には葉っぱがチラチラとありますが
今回はしっかりとした茎の部分だけを使います
レモンリーフ

レモンの葉っぱにそっくりなレモンリーフ
と言うことは、これはレモンの葉っぱではないのです
大きい分類ではツツジの仲間
生徒、横田の生け花

この花材で自由花、もう3回目ですから
『完璧』と言ってもいいのでは?
と思っていたら案の定、『うん、これは~』と先生

- フトイはいい
- ヒマワリの高さをどうするか?
- 花の大きさと全体の位置の関係
- どこから見るか?を考えているか
- 全体的な粗密をどうするか?
- レモンリーフの役割と見え方
- 何を見せるのか?
- などなどなど…
再チャレンジ、手直し後

再チャレンジした後です
さらに先生の手直しを頂いています
大きな変化としてはレモンリーフの使い方ですね

フトイで構成した”枠”はそのままです
フトイで空間を構築したら、その中の世界でヒマワリを表現します
さらにレモンリーフも出来るだけその中に収めます
レモンリーフなどでフトイの”ライン”を見えなくすると
その美しい三角の境界線がボヤけてしまいます
ですのでフトイの”ライン”はしっかり見せます
また、ヒマワリは花の大きさで高さを考えます
花が小さいと全体的に存在が小さく、弱い印象を与えます
その時は高さを出して存在感をアピールします
花が大きいと存在感があるので背を低くして
他とのバランスを調整します

そして比較するとよく分かるのが
”レモンリーフ”の大きさと高さ
手直し後の方が、低く、スリムに、そして枠に収まっています
手直し前はレモンリーフとヒマワリが被っていて
お互いが打ち消しあっています
それぞれの”輪郭”を見せることも大切です
また全体的にスッキリしました!
スリムに余計なものを排除したようです
”美とは余計ないものが無くなった時、現れる”

全体を右に回転させて
左の側面から見たところです
フトイのラインが変化して見えます
フトイが中心少し左に何本か集まって見えて
他はそれぞれが独立していますね?
コレが”粗密”
集まっているところと
バラけているところ!
また、フトイの構成も
正面とは違ったように見えることも
大切ですし、面白さのひとつです

今度は反対側です
先ほどとは”ヒマワリの粗密”が違います
さっきはお互いが近く、今度は離れていますよね?
さらには奥行きや高さ、傾斜の仕方も
お互いに違うことが大切です
だけど”レモンリーフ”は
今回もお互いが被っておらず、放射状に広がっています
反対側の時も同じように放射状でした
レモンリーフの存在は”足元を〆る”
剣山に刺さっている部分、ヒマワリの下の方は
見え方が美しくない、そこでレモンリーフで隠す意味もあります
フトイの見え方も先ほどとは違って
表情が変化しています
こういったところが面白いのです!
まとめ
池坊の自由花は”完全な自由ではありません”
池坊のルールの中で自由なのです
それは美しさを最大限表現するためのルールなのです
その”池坊の美しさ”とは何か?
それは”自然”です
しかも理想とされる自然
大自然の中に存在する植物のルール
太陽に向かって育つ、葉っぱの構成など
自然を観察することで知るルール
歴史の膨大な時間の中で淘汰されてきた”普遍的な美”
つまり流行ではない、どの時代でも通用する”美”
それはらせん状に成長し続けてきた”究極の美”でもあります
自然の美しさは無限です!
太陽、雲、風、生き物、宇宙によって構成された自然
地球は自転し、宇宙は広がって常に変化しています
変化することは当たり前で、自然で普通です
その”究極の美”もまた、去り行くあまたの時間の中で
ゆっくり変化しているのかもしれませんね

私たちは主に”自然素材をつかってナチュラルガーデン”を提供しています
それは癒しのお庭、遊べるお庭、優しいお庭づくりでもあります
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